中小零細企業の事業承継問題に光 M&A支援「BIZMA」仲介料0円で参入

   中小零細企業の後継者不足が深刻だ。帝国データバンクの2017年度調査によると、後継者が未定なのは、年商1億円未満の国内企業が78.0%、1~10億円未満では68.6%に上る。

   さらに、中小零細企業では経営者の「高齢化」も問題だ。中には業績が好調であっても、黒字であっても廃業に追い込まれるケースもあり、将来を見据えた対策が急務となっている。

表一剛社長
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M&Aが2017年に初めて3000件超える

   これまで中小企業のM&Aは、経営の厳しい企業の身売りや、取引先または同業他社などによる救済色が濃かった。それが最近では、業績は安定しているが経営者の高齢化と後継者不足に直面し、譲渡に踏みきる中小零細企業が増えてきている。

   M&A助言などの支援を行うレコフの調査によると、M&Aの件数は2012年から毎年増加し、17年は初めて3000件を超えた。

   「承継市場」の拡大を受け、斬新なビジネスモデルを引っ提げて参入した会社がある。ファンド運用事業などを行う「マーキュリアインベストメント」子会社の「ビジネスマーケット」(本社・東京)だ。

   同社は18年3月1日、事業を承継したい経営者と引き継ぎたい企業・人をつなぐ、AI(人工知能)・クラウド技術を駆使したウェブプラットフォーム「ビズマ(BIZMA)」を立ち上げた。他社との違いでユニークなのは「仲介手数料」を取らない点だ。

AIも活用、承継後の事業を長期サポートして収益化目指す

   同業他社の多くは、成功報酬として成約価格の数%を徴収するが、ビズマは「0円」。承継後のコンサルティングなどで収益化を図っていく

   ビジネスマーケットの表一剛社長は、

「中小のブティックファーム(買い手)の多くが活躍することが『事業承継マーケット』を活性化する一番のキモ。買い手の利益率を圧迫しないためにもマッチング料金は取らない。その後の事業成長を長期間サポートすることで収益を上げていきたい。さらに地方銀行、信金とも連携して、地域活性化にも貢献していきたい」

と説明した。

   そのほかビズマでは、クラウドファンディングサイト「ファーボ(FAAVO)」との連携による資金調達のサポートや、AIを駆使したマッチング支援を行う。

   詳細はこちらから。

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