「インバウンド消費」の拡大を目指す 経済効果大きい「会議誘致」が熱気

   2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、訪日外国人はここ数年、増加の一途をたどっている。観光業など日本の「インバウンドビジネス」が活況だ。

   しかし、明るい話題だけではない。観光庁が発表した「2017年訪日外国人消費動向調査」によると、訪日客1人当たりの消費額は前年比1.3%減の15万3921円。中国人観光客による「爆買いブーム」が話題となった15年をピークに2年連続で減少した。

   政府は2020年に「訪日客4000万人」「消費額8兆円」の目標を掲げるが、実現できるのか――。インバウンド消費に期待を寄せる各業界では、「MICE(マイス)」に熱視線を送る。

商談会の様子
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ビジネスチャンスの宝庫

   MICEとは、企業や団体が主催する「会議(Meeting)」「報奨・研修旅行(Incentive Travel)」「国際会議(Convention)」「展示会、イベント(Exhibition/Event)」の頭文字をとったものだ。

   国際規模のMICE開催をめぐっては、誘致活動が非常に激しいことで知られる。経済効果の面から多数の国や地域が立候補し、さながら「合戦」の様相を呈する。

   日本でも、その経済メリットが徐々に認知されはじめている。18年2月28日に開催されたMICEの商談会「第27回国際MICEエキスポIME2018」では、全国各地から78の出展団体(セラー)と447人の来場者(バイヤー)が集まる盛況ぶりだった(速報値)。

   セラーとは、地方自治体や観光協会、ホテルなど会議誘致を目指す団体を指し、バイヤーは、実際に会議を企画・運営する企業や団体だ。

「チームJAPAN」で競争力強化を

   商談会を主催した日本政府観光局(JNTO)の川崎悦子氏は、「MICE熱」の高まりを実感した様子だった。 J-CASTトレンドの取材に「商談会というスタイルははじめての試みで心配でしたが、期待を超える数が集まってくれました」。

   インバウンド需要といえば、観光を目的とした訪日客にスポットが当たりがちだ。しかし川崎氏は、

「個人が滞在する経済効果よりも、国際会議を開いた方が相対的に波及する範囲が広いです」

と話す。国際会議は平均3日間ほどの開催が多く、仮に海外から300人が参加すると、計900人分の経済効果を生む。さらに、主催者が使う会場費や人件費、滞在費など地域経済に貢献する効果も大きい。

   だが、日本での誘致実績はまだ満足できるとは言えない。2016年の国際会議開催数は410件と世界7位。中国などアジア勢も台頭しており、競争力の強化は急務だ。

「国としても、今後より一層サポートをしていく予定です。関係者へのロビー活動や主催者の提案書づくりなど、主催者と国、地域が連携して『チームJAPAN』でさらなる誘致を目指します」(川崎氏)

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