オタク専用の仮想通貨「オタクコイン」 準備委員会に小学館常務が就任
アニメグッズの販売などを手がける「Tokyo Otaku Mode Inc.」(本社:米デラウェア州)は2018年2月9日、同社が旗振り役となっている「オタクコイン準備委員会」に、出版大手「小学館」の相賀信宏常務ら3人が就任したと発表した。
ビットコインとはちょっと違う?
昨今話題の仮想通貨では「ビットコイン」が有名だが、オタクコイン準備委員会は、新たな仮想通貨「オタクコイン」の発行を目指す。
一般的な仮想通貨は「投機」目的で売買されやすく価値が乱高下しやすいが、オタクコインは「決済手段」や「寄付」、「資金調達」での用途が想定されており、他の仮想通貨とはやや異なる。
一体どういうことか。オタクコインは名前の通りオタクに特化しており、アニメやゲーム、漫画など「オタク産業」の活性化を理念に掲げる。
あなたがアニメファンだとしよう。同人誌即売会や声優のライブに行きグッズを購入する際、現金で支払う代わりに、スマホ上で仮想通貨を送るだけで決済できたら手軽だろう。また、好きなアニメーターを応援するための「寄付」や「投げ銭」が、仮想通貨で行なえたらどうか。クリエイターの立場であれば、クラウドファンディングのように資金調達の手段として仮想通貨が選択肢の1つにあったら...?
つまり、オタク向けコンテンツの発展に仮想通貨が一役買うのではないか、という考えからスタートした実験的なプロジェクトだ。
今夏にも「資金調達」を予定
オタクコイン準備委員会は、アニメ関連の事業を手がける「フーモア」「キューダップ」などの参画企業に加え、今回新たに小学館の相賀信宏常務、キューダップの赤星良介代表取締役、コンサルティング会社「サクラス」の池上真之社長がアドバイザーに就任した。
オタクコインは、2018年春ごろに具体的な導入案を公表し、夏には「仮想通貨での資金調達」を意味する「ICO」の実施を予定する。
同委員会は、
「今後も、アニメ・マンガ・ゲームなどのオタク系コンテンツ業界の有識者であるアドバイザーや、セキュリティーの専門家、オタクコインプラットフォームへの参画を検討する企業やサービスをパートナーに迎えることで、グローバルなオタクコミュニティーに特化した仮想通貨『オタクコイン』の活用方法や制度設計など、さまざまな視点から多くの意見を集め、民主的により良い形で実現したいと考えています」
とコメントしている。