舞台観劇中にスマホが鳴り出し大迷惑 電源オフ「できない」人にワケあり?
2018-02-03 06:00:00
「今日の本番中、登場人物が全員沈黙する1分間の静寂のシーンで、お客様のスマートフォンが鳴りました」――。脚本家・演出家の松澤くれは氏は2018年1月28日、ツイッターでこんな苦言を呈した。
演劇鑑賞中のマナー違反を指摘した形となったが、これに反応した人たちからは、特に高齢者にとっては電源を切れない「ある事情」を推測した意見も出ている。
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すべてが壊れてしまいました
松澤くれは氏がプロデュースする舞台『Weのために-あなたの短編集&わたしの長編劇-』の1月28日公演で「事件」は起きた。
公演中にステージが1分間静寂となるシーンがあったが、そこで観客のスマホが鳴ってしまった。松澤氏は公演終了後にツイッターで、
「観ていたお客様の集中も、1ヶ月の役者の稽古も、すべてが壊れてしまいました」
と書き、続けて、
「観劇の時にスマホの電源を切るのは自分のためじゃない。一緒に観ている他のお客様みんなへの『思いやり』だと思います」
と観客へマナー順守を訴えた。
松澤氏の「お願い」は、2月2日現在で1万3000リツイートされるなど大きな注目を集め、
「思いやりじゃなく、もう『義務』でいいんじゃないでしょうか」
「客側のマナーに非があるのは当然だが、それは劇場の中で云うべきことであってココじゃない」
「そんなにダメなことなら、お客様の心にきちんと伝わるように、前説のアナウンスを変えたらいいんじゃないですか?」
などさまざまな声が寄せられている。
強制的に「圏外」になる装置がある
スマホ操作に慣れていないシニア世代の中には電源の切り方がわからない人も多い、とする意見もある。
「携帯屋でバイトした折、飛び込みでくる中高年の質問No.1は『電源オフの方法』」
「先日義母がやらかしまして。まさか切ってないとは思わずみんなで大慌て」
「スマホにしたらさっぱりという高齢者もいるだろうな」
それでは劇場側はどんな対策が考えられるか。
例えば、通信機能抑止装置の利用だ。電波を発して携帯電話を使えないようにする装置で、その周辺は強制的に圏外になる。NHKホールや東京宝塚劇場、東京オペラシティなど比較的大型の劇場やコンサートホールでの導入が進んでいる。
ただし、小劇場などは予算面で導入が難しいかもしれない。なるべくコストをかけずに済む解決策はあるのか。ツイッターではこんな「未来」が予想されている。
「ロビーの壁に『電源の切り方 iPhone版』とか貼りだす日も遠くないのかも」