視聴者からの写真・動画提供「無償」にマツコ苦言 「感謝しておりますくらいはあったの?」
マスコミは一般人から写真や映像の提供を受けるとき、金銭を支払うべきではないのか――ネット上で、こんな議論がテレビ番組の放送をきっかけに巻き起こっている。
テレビ番組が紹介したのは、事故現場の動画をマスコミ各社に提供した一般人がスクープ写真(映像)の賞を6つ獲得した、という実体験だった。
「ちゃんとお支払しているの?」
マツコ・デラックスさんと有吉弘行さんのトークバラエティ番組「マツコ&有吉 かりそめ天国」(テレビ朝日系)の2017年11月22日放送回では、博多駅前道路の陥没事故(2016年11月26日)に遭遇した26歳会社員の便りを紹介した。
投稿者は当日の夜明け前、愛犬との散歩中に事故に遭遇、無我夢中で現場の動画と静止画を撮影した。その後、近付いてきた新聞記者が「動画を使いたい」と頼むので、投稿者が動画を渡したところ、テレビ各局から「動画使わせてください」との電話がかかってくるように。投稿者の動画はニュース番組やワイドショー番組で何度も流れたという。
すると2017年、投稿者は一般人にもかかわらず、次々と報道写真の表彰を受けた。本人いわく、その数は6つ。総額150万円の賞金を得たという。
「よみうり写真大賞 ニュース&ドキュメンタリー部門 一席」
「朝日新聞 2016読者の新聞写真 代表作」
「NHK投稿映像部門 スクープ映像部門 最優秀賞」など。
投稿者は「お二人にそんな裏話があったことを知ってほしくてメールしました」という。
マツコさんと有吉さんはここまで聞くと、「おもしろい話だね」(有吉さん)とした上で、投稿者への謝礼をめぐる疑問を呈した。
「お金がどうなんだ」(有吉さん)
「ちゃんとお支払しているんですか?」(マツコさん)
有吉「ふざけんな」
「すべて無償で提供されたそうです」。同番組の久保田直子アナウンサー(入社13年目)がそう話すと、有吉さんは「ほら、出たよ」とため息。マツコさんは
「じゃあもう、善意なわけね」「せめて菓子折りもって、『ありがとうございます。規定でお支払できないけど、心から感謝しております』くらいはあったの?」
などと注意した。
だが、番組のテレビ画面には「テレビ朝日の動画投稿サイト『みんながカメラマン』では、無償でのご協力をお願いしています」との文字が。マツコさんは
「彼は賞をもらえたからいいけど、賞をもらわないようなニュースで一般の方が撮影してくださったやつ、今いっぱい使ってるじゃんニュースで。あれ、使用料払ってないでしょ」
と注文し、有吉さんは
「なんだ、映像ボックスへお送りくださいって。ふざけんな」
と毒づいた。
ツイッターなどインターネット上でも、2人に共感する声が続々と上がっている。
「マツコ有吉、マスコミに苦言を呈す。いや本当その通り。出演させてやってんだぞっていう態度許されんの昭和までだぞいい加減にしろ」
「提供映像は『全て無償』。今の時代それでいいのかなー...」
「お金払いなよ、報道」
「有吉とマツコが、一般人が撮った映像をテレビ局がタダで使ってることを怒ってくれた!!よく言ってくれたよ、タダで使うのはやっぱり失礼な話だと思う...」
一方、
「今、動画でTwitterで投稿したらマスコミが鬼のようにリプ来るみたいね。それがどんなしつこさか、一度感じてみたい。ww」
などの声も上がっていた。