大企業より中堅企業の方が柔軟! 管理職33%が副業・兼業を「承認」
アメリカン・エキスプレス・インターナショナル(東京都杉並区)は、日本の中堅企業(年間売上規模が約5億円以上250億円未満)の部長職以上を対象とする「中堅企業調査レポート2017」を、2017年11月20日発表した。大企業(年間売上規模が250億円以上の222社)を対象とする調査結果と比較して分かったのは......。
「働き方改革」の実施率では...
中堅企業の調査では、政府が主導する「働き方改革」の取り組みを「十分に取り組んでいる」7%、「ある程度取り組んでいる」47%。一方、大企業は13%と80%で、中堅企業とは開きがみられた。
具体的にどんな「働き方改革」を実施しているかたずねると、中堅企業は「長時間労働の是正」(39%)、「休暇の取得促進」(31%)、「従業員の能力の向上」(31%)の順に。一方の大企業では、「長時間労働の是正」(90%)、「女性の活用」(89%)、「子育て、介護、病気の治療と仕事の両立の支援」(85%)となった。
双方とも「長時間労働の是正」に力を入れているが、実施率の割合では、大企業が中堅企業に差を付けていることが分かる。
「働き方改革」へのハードルをたずねると、中堅企業、大企業ともトップ3は「一般従業員の意識改革」「管理職の意識改革」「トップの意識改革」で変わらず。企業規模にかかわらず、従業員と管理職双方の意識改革が求められているようだ。
柔軟な働き方は大企業をうわまわる
こうした中、中堅企業は大企業と比べ、柔軟な働き方を認める傾向にある。従業員の副業・兼業への対処を問うと、中堅企業は「推奨している」(4%)、「認めており、届出等も必要ない」(12%)、「認めているが、届出または許可制」(17%)。一方、大企業は各0%、1%、15%だった。承認している企業の割合では、中堅企業(33%)が大企業(17%)を上回った。
アメリカン・エキスプレス・インターナショナルは2017年7月、中堅企業の部長職以上を対象として、全国の321人にオンライン調査(調査実施:日経リサーチ)を、首都圏の10人にインタビュー調査(調査実施:シー・ユー)を実施した。大企業のデータは、2016年12月の「働き方改革に関する調査」(対象:国内全上場企業3652社、調査実施:日経リサーチ)を基としている。