選挙プロが見る「当選する人、落選する人」 1票投じる前に政治のリアルと裏話


   選挙カー、連呼、連呼。選挙になると、政治が急に近くなる。偉いセンセイたちも笑顔を振りまき、握手を求めてくる。でも、騙されてはいけない。これからの日本と明日からの生活がかかっている。誰に、どこの党に投票すればいいのか。1票を投じる前に政治の仕組みや候補者の素顔、選挙の内幕を紹介したい。

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解散は「伝家の宝刀」なのか


『増補「解散」の政治学―戦後日本政治史―』(著・藤本一美、第三文明社)

   「大義がない」「党利党略だ」。先月28日(2017年9月)に行われた冒頭解散についてこんな批判が出た。解散は首相の専権事項であり、「伝家の宝刀」といわれてきたが、解散とは何なのか。『増補「解散」の政治学―戦後日本政治史―』(著・藤本一美、第三文明社、4212円)は、歴史的背景と解散を決定する政治的プロセスを究明し、実態に迫る。

   解散にはその時々の争点や政治状況、あるいは首相の意図を反映するようなネーミングが付けられている。本書は「GHQ解散」(幣原喜重郎内閣)から「バカヤロー解散」(吉田茂内閣)、「ハプニング解散」(大平正芳内閣)、「死んだふり(定数是正)解散」(中曽根康弘内閣)、「郵政解散」(小泉純一郎内閣)など、歴代の解散の特色を明らかにする。

   今回、安倍首相自ら「国難突破解散」と訴えたが、野党は「森友・加計隠し解散」と反論している。後世に残るのはどちらか。

「地盤・看板・鞄」なしで国会議員へ


『田舎に帰った青年が三バン(地盤・看板・鞄)もなく国会議員になった話』(著・田野瀬良太郎、主婦の友社)

   当世、政界で幅を利かせているのは世襲議員だ。安倍内閣の安倍首相はもちろん、麻生太郎副総理兼財務相、河野太郎外務相、林芳正文科相らずらりと並ぶ。

   そんな中、『田舎に帰った青年が三バン(地盤・看板・鞄)もなく国会議員になった話』(著・田野瀬良太郎、主婦の友社、2160円)は、市議、県議から国会議員へと駆け上った著者・田野瀬良太郎氏の半生記である。

   大学時代に33カ国を放浪、政治の重要さを感じ政治家を目指した。金なし、コネなし、知名度なしで、奈良県五條市議会議員に初当選し、ついには自民党衆院議員となり、自治政務次官、財務副大臣、総務会長など務め、2012年に70歳を前に引退。約40年間の議員活動を振り返るとともに、選挙の仕組み、政治とカネ、派閥の裏側も語りつくす。

選挙民も驚く立候補者の素顔とは


『そうだったのか! 選挙の(秘)ナイショ話』(著・渡辺 強、ビジネス社)

   「選挙事務所のオヤジは、なぜサイズの小さなシャツを着ているのか」。表紙の帯のキャッチフレーズがそう問いかける。選挙と小さなシャツ、どんな関係があるのか。

   『そうだったのか! 選挙の(秘)ナイショ話』(著・渡辺 強、ビジネス社、1080円)は、選挙のプロが誰も知らないような選挙の裏側を暴露する。著者の渡辺強さんは選挙コンサルタントで、日本選挙キャンペーン協会の理事。全国各地で関わった選挙活動は200を超え、信頼、裏切り、絆、猜疑、同情、嫉妬などリアルな政治を体験、当選する人、落選する人を見つめてきた。

   目次を見ると「1歩間違えば堀の中、怖い選挙違反」「ポスターを制する者は選挙を制する?」「選挙民も驚く立候補者の素顔」・・・そして「汲めども尽きぬ選挙の裏話」と続く。テレビでおなじみの政治アナリスト伊藤惇夫氏も推薦。

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