堀江貴文氏も太鼓判 「日本モンサント」動画コンテスト、最優秀作決定
日本モンサント(東京・中央区)が主催する「FOODS NEXT 学生動画コンテスト」の審査結果発表会が2017年9月20日、都内で開催された。
審査員のひとりとして参加した実業家の堀江貴文氏が「バズるかも」と評価する作品が飛び出すなど、斬新でハイレベルな動画が次々披露された。
インパクト大なラップ動画
コンテストは、身近ではあるものの理解するのが難しい「遺伝子組換え技術・作物」をテーマに、理系学生たちから動画を募ったもの。動画を通じて、このテーマを同世代にわかりやすく伝えることを目的として開催された。
記念すべき初回となった今回は、筑波大と千葉大から計3チームが参加。3か月ほどかけて制作したという力作が集まった。
エントリーNo.1の筑波大学「バイオeカフェ」は、メンバー自ら遺伝子組み換え作物(GMO)の専門家を訪ね、消費者目線に立ち、そこで感じた率直な思いを動画で伝えた。
「GMOと聞くと、なんとなく『怖い』と感じてしまう人が多いと思いますが、『本当にそうなのかな』と考えるきっかけになってほしいと思います」
とメッセージを込める。
エントリーNo.2は、千葉大学「サウザンド・リーブズ」。ラップを通じてGMOの安全性についてユーモアたっぷりに紹介。「まずは興味を持ってもらえるように、インパクトが強めな内容になっています」。
最後は、筑波大学「育種研」。普段、大学の研究室で植物育種学を学ぶ3人。「GMOの安全性評価や有用性を知ってほしい」として、GMOに関する多様な情報をコンパクトにまとめ、をプレゼンテーション形式でわかりやすく丁寧に解説している。
三者三様の切り口が集まったが、最優秀作品はどのチームに――。
堀江氏「もしかしたらバズるかも」
最優秀作品に選ばれたのは、エントリーNo,2の千葉大学だ。ネットでの一般学生票を含めた審査員票7票中中5票を集めた。
審査員をつとめた、特定非営利法人「くらしとバイオプラザ21」の笹川由紀主席研究員は、
「サイエンス・コミュニケーションをやっていると、色々なことを気にして表現がマイルドになりがちですが、言いたいことをズバッと表現してくれたのはとても勇気をもらいました」
と選考理由を話す。
また、国立国際医療研究センター感染症対策専門職の堀成美氏は、こう評価する。
「専門家は『正しいんですよ』『科学的なんですよ』ということを言いがちですが、この映像にはハートやパッションを感じられた」。
前述の堀江氏も「真面目路線では聞く耳をもたない人もいる。ラップで攻めたのはサイエンス・コミュニケーションの一つの正解」「YouTubeに流したらもしかしたらバズるかも」と太鼓判を押した。
総括として、コンテストを主催した日本モンサント・中井秀一取締役社長は、
「コンテストの初回から、三者三様の多様性のある動画作品が集まったことが驚きでした。遺伝子組換え技術・作物のサイエンス・コミュニケーションでは、いかに論理をわかりやすく伝えることができるかということが常に課題になる。今後も社内で議論するに留まらず、今回のコンテストのような外部の多様な人々に協力を得られるような取り組みを行っていきたい」
と述べた。
「今回第一日目ということもあり、あまり多くの学生に声をかけなかったのですが、それでもこれだけ多様な動画が集まったので、2回、3回とぜひ続けていきたい」
とも話し、次回への意欲と期待をにじませた。
各動画はYouTubeで公開中。