【あなたの知らない感動家電】(1) この世から「掃除」をなくす「ルンバ」
日常生活を激変させる、最新のスマート家電を連載でお伝えするこの企画。連載では、「家電の達人」である木村大介さんから、オススメの製品を聞き出す。第一回は、自動掃除ロボット「ルンバ」を特集する。
木村さんは、中古マンションのリノベーションサービスを展開する「リノベる」に勤務。同社では、ハイテクな最新家電を導入し、賢く素敵な生活を目指す「スマートホーム」の研究や展示、販売を行う。
木村さんは、その中心人物として活躍している。気になるスマート家電は自分で徹底的に使い、モニターの意見を集め、場合によってはアレンジまでして、顧客に提案する。
ルンバ
木村大介さん
自分がいないときに掃除してくれる「ハウスキーパー」的存在
――「ルンバは便利だとは思いますが、企画のテーマは『感動家電』です。正直、ルンバは、すでに多くの人が知っていると思うのですが」
そうですね。たしかに、旧モデルですとここまでオススメはしなかったです。ちなみに、ルンバは本体のボタンを押して動かすイメージですか?
――「はい。実家にあるものはそうです」
それだと、掃除中の音がうるさかったり、縦横無尽に動き回るので、邪魔になりませんでしたか?
――「たしかに。それであまり使わなくなりました」
分かります(笑)。そんな「課題」を解決しはじめたのが、2年前くらいから出始めたWi-Fiに対応したモデルなんです(最新モデルの690、890、960はすべて対応)。
インターネットにつながったことでスマホから遠隔操作できるようになったので、外出中にタイマー設定をしておけば、あとは勝手に動き出して掃除を済ませてくれます。出かける前にスイッチを入れ忘れた、という場合にも便利でしょう。
本体のボタンを押すタイプだと、マメな性格でなければなかなか続かなかったのも悩みの1つでしたが、タイマー設定しておけばこれも解決できます。
タイマー設定もらくらく(「ルンバ」公式サイトより)
――なるほど。具体的にどんな点が「感動ポイント」なのでしょうか?
自宅でルンバを愛用しているのですが、単に掃除がけが楽になったというよりは、もはや意識しなくなりましたね。掃除から解放されたといって良いかもしれません。
旧式だと、家が汚くなってきたタイミングで使っていましたが、Wi-Fiモデルに切り替えてからは、自宅にいないときに掃除するよう設定できるので、常にきれいなのが当たり前。汚れを意識する場面がほとんど無くなりました。
たまに、ルンバが充電器(ホームベースドック)に戻れていなかったり、ゴミタンクの交換を忘れていたりして作動していなかった時に、はじめて「あれ、そういえば汚れてる」と気づくくらいです(笑)。
ホームベースドック(「ルンバ」公式サイトより)
1週間でゴミタンクが満杯 「ウチってそんな汚いの?」
――部屋の隅々まで掃除できるのでしょうか? いくら優秀とはいえ、さすがに人間には勝てないのでは?
ルンバを購入してすぐにこんな体験がありました。使い始めてからわずか、1週間でタンクがいっぱいになったんです。「こんな頻度でタンク変えるなら便利じゃない」と思ったのですが、それ以降は月1回程度で済むようになりました。
要は、それだけウチが汚れていた、ということなんです。これにはとても驚きました。決してそれまでの掃除を怠っていたわけでなくて、こまめに掃除機掛けをしていたんです。なのに、こんなに汚れていたんだなと。ルンバの掃除性能は人を超えたな、とも感じましたね。
掃除したエリアも確認できる(「ルンバ」公式サイトより)
なかなか戻ってくれないルンバ、これが原因かも
――それでもトラブルはありますよね?
一番多いトラブルは、ルンバの「遭難」です。掃除が完了、もしくはバッテリー残量が少なくなるとみずから充電器に戻るのですが、スキマに挟まってしまうと当然アウトです。
そのため、対策が必要です。挟まる場所は大体同じなので、赤外線の見えない壁を作り出して進入禁止エリアを設定できるバーチャルウォール(オプション品)を使うのが効果的だと思います。
バーチャルウォール(「ルンバ」公式サイトより)
また、ルンバは、充電器から照射される前方65度の赤外線を感知して戻るのですが、充電器の置き場所によっては支障をきたす場合もあります。例えば、コの字のすきまに設置すると、赤外線の一部をさえぎってしまい、戻りづらくなるので「ステーション」の置き場所は、注意が必要ですね。
あと、チェストの下とかソファの下とか、なんとなくスキマに置きたくなるものですが、そうするとゴミタンクの出し入れが面倒になります。できるだけ上に空間がある場所を「ステーション」にした方がいいですよ。
――なるほど。置く場所次第でもっと快適に過ごせそうですね。
コの字のスキマへの充電器設置は遭難率が高い
狭いスキマでは、とタンク交換がしづらい
【次回予告】使い方はあなた次第!のコミュニケーションロボット
お掃除ロボットはほかにも、パナソニックの「RULO」やダイソン「Dyson 360 Eye」、シャープ「COCOROBO」など多数販売されている。
購入を検討している方は、ぜひ各社製品を比較して、お気に入りの「パートナー」を見つけてみてはいかがだろうか。
次回は、人と人とをつなぐコミュニケーションロボット「BOCCO(ボッコ)」を紹介予定。「このスマート家電を取り上げてほしい」という要望があれば、こちらよりご連絡ください。