初心者でも低い山でも関係ない 達成感に満たされる「登山」のやり方


   2016年、8月初の国民の祝日として制定された「山の日」。今年は8月11日が金曜日ということで、すでに夏休みの学生たちには影響はなさそうだが、社会人にはその後の盆休みと合わせ、長期休暇につながるという人が多いかもしれない。今回は、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」という山の日の由来にちなみ、登山やキャンピングなど、山にまつわる知識を得られる3冊を紹介する。

   J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチhttps://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。

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五大大陸登頂を制覇! その先に見えてくるものは...


『新装版 青春を山に賭けて』(著者:植村直己 文藝春秋)

   「五大陸の最高峰を踏んだ登山家」としてその名を世界に知らしめた植村直己氏。『新装版 青春を山に賭けて』(著者:植村直己 文藝春秋 680円)はドングリと呼ばれていた植村氏が、100ドルだけを手にして日本を脱出し、五大陸最高峰のすべてに登頂。"アニマル植村"と称されるまでの型破りな青春を語り尽した感動篇。

   「マッターホルンの黒い十字架」「アンデス山脈の主峰」「60日間アマゾンイカダ下り」「王者エベレスト」など、そのケタはずれな世界放浪記の全貌が描かれている。

   日本人初のエベレスト登頂を成功させた植村氏は、「私は五大陸の最高峰に登ったけれど、高い山に登ったからすごいとか、厳しい岩壁を登攀したからえらい、という考え方にはなれない。山登りを優劣でみてはいけないと思う。要は、どんな小さなハイキング的な山であっても、登る人自身が登り終えた後も深く心に残る登山がほんとうだと思う」と語る。

東京から日帰りできる「低い山」へ登ろう!


『低山トラベル とっておき低山30座の山旅ガイド』(著者:大内征 二見書房)

   東京は日帰り登山の聖地。『低山トラベル とっておき低山30座の山旅ガイド』(著者:大内征 二見書房 1728円)では、日本各地を旅する低山トラベラーの第一人者、大石征氏が薦める、とっておきの名山30座を紹介。その低い山の魅力と醍醐味を現場から中継する。

   「ここに収めた30座は、ぼくの足で覚えた山旅を、言葉に置き換えて"ガイド"したい名低山です。『日本百名山』で深田久弥さんが名山の基準を示されたように、僭越ながらぼくなりに名低山を提議すると......。歴史や神話といった物語が伝わる山、都市の暮らしに何かしら関わりを持つ山、個性豊かな山を念頭に置いて選びました。ちょっと高い山も混じっていますが、いつかきっとチャレンジしたくなる山たちです。"山高きが故に貴からず、樹あるをもって貴しとす"。これは、平安時代の書物『実語教』にまとめられた暮らしの知恵と教訓の一節です。たんに高さではなく緑をたたえる樹々の"深さ"に視点を置いて山を愉しむのも一興でしょう(本書より)」。

   低い山は、歴史と物語があって面白い!

山用フライパンをフル活用した「おいしい・簡単・シンプル」なレシピ集


『フライパンで山ごはん シンプル・簡単なレシピ90』(編集:山と渓谷社、ワンダーフォーゲル編集部山ごはん研究会 山と渓谷社)

   登山の楽しみのひとつでもある"山ごはん"。 そんな山ごはんを支える調理道具の中にフライパンがある。登山用のコンパクトなフライパンは、炒め物はもちろん、主食となる炊き米、麺類、鍋など、何でも作ることができる万能選手。火の通りも早いので、効率よく調理できるもの魅力だ。パッキングもしやすく、夏場はこれひとつで縦走するという登山者も増えているという。

   『フライパンで山ごはん シンプル・簡単なレシピ90』(編集:山と渓谷社、ワンダーフォーゲル編集部山ごはん研究会 山と渓谷社 1296円)では、山フライパンの愛用者の意見を参考に、フライパンひとつで作る山ごはんをご紹介。少ない食材で短い時間で作れるもの、また疲れたときにも食べやすく、何よりも作っていてワクワクする、おいしいものばかりを厳選。

   「道具について/フライパン・ストーブの選び方」「調理のポイント/米を炊く、鍋ものを作るほか」「フライパンレシピ集/簡単おつまみ、おかず、麺・パスタほか」

   ほかにも3泊4日のフライパン縦走のすすめや、持ち運びと片付けのひと工夫などのコラムも読みごたえあり。

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