12万人超の顧客満足度調査で分かったランキング みんなが好きな飲食チェーン1位はリンガーハット

   日本生産性本部のサービス産業生産性協議会は2017年6月20日、今年度の「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」第1回調査として、6業種(コンビニエンスストア、シティホテル、ビジネスホテル、飲食、カフェ、事務機器)における、のべ69企業もしくはブランドの満足度を発表した。

   飲食部門では、レストランチェーンとして、かっぱ寿司、ガスト、木曽路、くら寿司、ココス、 サイゼリヤ、ジョイフル、スシロー、デニーズ、はま寿司、 バーミヤン、びっくりドンキー、ロイヤルホスト 、ファストフードチェーンとして、餃子の王将、ケンタッキーフライドチキン、幸楽苑、 CoCo壱番屋、すき家、マクドナルド、松屋、丸亀製麺、 モスバーガー、吉野家、リンガーハット の計24企業が指数化の対象になった。

   栄えある飲食部門の顧客満足第1位は、長崎ちゃんぽん専門店を展開する「リンガーハット」。初めて1位に輝いた。

JCSI公式サイト
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3つの「満足」を数値化

   09年に始まったJCSIは、総計12万人以上の回答をもとに実施する日本最大級の顧客満足度調査だ。顧客期待・知覚品質・知覚価値・顧客満足・推奨意向・ロイヤリティの6つの指標について、総計12万人以上の回答を数値化している(図表1)。本年度は年6回に分け、30業種超、約400の企業・ブランドの調査を実施する。

   顧客満足は6つの指標の核となる項目だ。以下の3つの設問について、回答者に7または10点満店で評価してもらい、それら回答をすべて満点とした場合は100点となるように算出される。

◇全体満足-過去1年間の利用経験を踏まえて、○○○にどの程度満足していますか
◇選択満足-過去1年を振り返って、○○○を利用したことは、あなたにとって良い選択だったと思いますか
◇生活満足-○○○を利用することは、あなたの生活を豊かにすることに、どの程度役立っていると思いますか

   飲食部門の顧客満足指数の中央値は73.2で、リンガーハットのそれは78.0だった(図表2)。2位が「丸亀製麺」で77.6、3位が「モスバーガー」で77.2、4位が「サイゼリヤ」で75.9、5位が「木曽路」で75.2。

   飲食部門の中央値はおおむね上昇傾向にあり、シティホテル部門やビジネスホテル部門の水準には達しないものの、カフェ部門とほぼ同等で、コンビニエンス部門や事務機器部門を大きく上回る(図表3)。飲食業界ではしのぎを削るサービス合戦が展開され、それが顧客満足の向上につながっていると見られる。1位のリンガーハットの長崎ちゃんぽん事業は、国産食材にこだわりを持ったメニュー開発に取り組み、健康的なイメージを訴求することで顧客の支持を集めている。

   なお、飲食部門における顧客満足以外の5指標を見ると、「顧客期待」「知覚品質」「ロイヤルティ」ではモスバーガー、「知覚価値」はサイゼリヤ、「推奨意向」は木曽路がそれぞれ1位だった(図表4)。

   飲食以外では、コンビニエンス部門で北海道で圧倒的なシェアを誇る「セイコーマート」が前年度に引き続き顧客満足第1位をキープした。その一方でシティホテル部門の「帝国ホテル」はJSCIの開始以来ずっと顧客満足第1位の座を守っている。

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