「ハローワーク」で監督公募 就任わずか4か月、悲願の甲子園出場

   第99回全国高校野球選手権秋田大会で優勝を決めた明桜高校の「監督」に注目が集まっている。

   監督を務めるのは、今年の4月から指揮を執る輿石重弘氏(54)だ。就任わずか4か月での偉業となったが、着任の経緯は「異例」だった。

明桜高校野球部のホームページより
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採用要項で給与も明らかに

   春5回、夏9回の甲子園出場経験をもつ同校。今大会で8年ぶり9度目の夏の優勝を果たした。

   ソフトバンクの摂津正投手や、DeNA砂田毅樹投手などを輩出した伝統校だが、09年の選手権大会制覇後は、しばらく甲子園から遠ざかっていた。

   監督も頻繁に代わっており、11~13年に指揮を執った三浦第三氏以降、八木茂氏、阪川英次氏とわたり、16年6月に就任した西野新太郎氏は、秋の県大会後に退任していた。

   そして、明桜高校は次期監督を選任するに際し、一般的な方法である前監督の推薦や部長・コーチからの昇格を選ばなかった。高校ホームページおよびハローワークで公募を実施するという異例の対応をとったのだ。

   契約教員として、「高等学校教員免許状所有」「科目を担当しながら、硬式野球部を指導できる」などを応募条件に、16年11月から募集を開始。基本給(19万1000円~20万5000円)が明示されているなど、当時ネット上で話題となった。

   書類選考などの試験を経て、昨夏まで帝京三(山梨)を率いていた輿石監督が4月1日付で就任した。

「(選手には)プラスのことしか言わない」

   就任後は、早々に手腕を発揮。春季秋田県大会優勝、そして8年ぶりの甲子園へとチームを導いた。

   スポーツ報知の7月26日付記事(ウェブ版)によると、監督の方針は「(選手には)プラスのことしか言わない」。優勝した時のお祝いコメントを先に伝える「予祝(よしゅう)ビデオ」を作成するなど、選手たちに常勝ムードを生み出しプレッシャーを取り除いたという。

   今回の嬉しい知らせに、ツイッター上では、

「監督不在の中、自分たちで考え、行動し、直向きに努力し頑張ってきた全ての過程が輿石監督との出会いで花開いたと思います」
「よき指導者、そしてよき生徒。うまく噛み合った結果、掴んだ甲子園。おめでとうございます」
「山梨から秋田へ。苦労も多かったと思います。全てが報われたと思います。おめでとうございます」

と選手はもちろん、監督の功績をたたえる声が相次いだ。

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