ボーナスで「資産運用」にチャレンジ 失敗しない実践的活用法
日本生命保険によると、今年(2017年)の夏のボーナスの平均支給額は51万5000円で、昨年より1万円増加した。使い道は「貯蓄・資産形成」が33.1%でトップだった。さもありなん。銀行に預金しても、利子は雀の涙ほどにもならない。今もらったボーナスを少しでも殖やしていく堅実な活用法はないものか。多くの人がそう思うだろう。今週は積立投資やiDeCo (個人型確定拠出年金)など初歩からの「資産運用」について紹介したい。
J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(https://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。
ゼロから始める「積立投資」の成功例
リスクのある金融商品を買うときは、損をしないかと不安になる。売り手は売り手で、お客様に損をさせたらどうしょうかと心配する。だが、積立投資は売り手と買い手が「ウィンウィン」の関係になるという。
『ゼロからわかる積立投資のススメ方』(著・星野泰平、きんざい、1944円)は、とりわけ、積立投資を勧める立場の人たちに読んでほしいという本である。計画的な財産形成を考える人、公的年金だけでは老後資金準備が心許ない人、内部留保を効率的に運用したいという企業経営者にも自信を持って勧め、勧められた客も友人や知人に広めたくなるという営業戦略の基本を教えている。
積立投資は、毎月決まった額で同じ商品を買っていく投資法。本書は積立投資の6つのメリットを説明、「『値下がり安心』効果の説明方法」「『値上がり』効果の説明方法」「積立投資への取組みと成功例」と、初歩から成功例まで分かりやすく説明する。
今年から加入可能「iDeCo」の仕組み
「今年(2017年)1月から、原則として現役世代の日本人全員がiDeCo (個人型確定拠出年金)に加入できるようになった」「将来、国から支給される年金は、当てにできない」「そのため、老後に向けて自助努力で資産形成をする必要性は確実に増している」
『「iDeCo (イデコ)」で自分年金をつくる 個人型確定拠出年金の超・実践的活用術』(著・朝倉智也、祥伝社、842円)のポイントはこの3点だ。そして、「拠出時、運用時、受給時でかなりの節税になるので、この制度を利用しない手はない」と訴える。
iDeCoとは、毎月の掛け金を自分自身で運用しながら60歳以降に受け取る仕組みだが、その仕組みと手続き、絶対失敗しない金融機関や運用商品の選び方を解説し、リスクを怖れず安心して暮らすための実践的な一冊となっている。
20、30代に向けた投資の入門書
「銀行に預けておきなさい」と親は言うけれど、銀行に預けておればお金が増えていくという時代ではない。昔のように、給与がどんどん上がっていく状況でもない。現代の若者が将来を見据えながら財産を築くためには投資が必要――。
『せめて25歳で知りたかった投資の授業』(著・三田紀房×ファイナンシャルアカデミー、講談社、950円)は、20、30代に向けた投資の入門書だ。目次をみると、「投資が『怖い』のはなぜ?」「投資はこんなに『単純』だ」「お金だけじゃない!投資があなたにもたらすもの」「投資で『自由』を勝ち取ろう!」と生き方についても考えさせる。
著者の三田紀房さんの投資漫画『インベスターZ』のエピソードを多数引用している。三田さんは大手百貨店勤務などを経て、30歳で漫画家デビュー。高校野球を描いた『クロカン』『甲子園へ行こう!』や東大合格請負漫画『ドラゴン桜』なども話題だ。