今目の前にある危機 最悪の「サイバーテロ」からどうやって身を守る?
先日、不正プログラム「ランサムウェア」(身代金要求型ウイルス)によるサイバーテロがニュースになった。イギリス、台湾、チリなど世界各地で被害が多発しているほか、日本でも日立製作所やJR東日本がサイバー攻撃を受けたことがわかっており、影響はさらに拡大するものと思われる。
今回は、サイバーテロの実情、また対策方法など、インターネットのセキュリティについて、改めて学び直すことができる3冊を紹介する。
J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(https://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。
世界を震撼させた天才ハッカーたちの知られざる生態を暴く
『我々はアノニマス 天才ハッカー集団の正体とサイバー攻撃の内幕』(著者:パーミー・オルソン ヒカルランド)
アノニマスとは直訳すると「匿名」「名無し」の意味。だが今や、言わずと知れたハッカー集団をさす不気味な固有名詞である。サイバー攻撃によってウィキリークスや中東革命を支援し、世界に脅威を与えた神出鬼没の「アノニマス」。彼らはいったい何者なのか? 『我々はアノニマス 天才ハッカー集団の正体とサイバー攻撃の内幕』(著者:パーミー・オルソン ヒカルランド 2160円)は、フォーブス誌のロンドン支局長である気鋭のジャーナリスト・パーミー・オルソン氏がアノニマスの首謀メンバーを直接取材し、謎の集団の核心に迫っている。
「世間が恐怖する中、一握りの天才ハッカーたちはしだいに名声を競い始め、中国やCIAといった、より大きな標的を求めていく。だが、FBIは彼らの内部を切り崩し、意外な密告者を泳がせたのだった―(本書より)」。
監修は、「アノニマスはネット社会のヤバい奴ら。でも最高の可能性感じるね」と語る、元ライブドア社長、ホリエモンこと堀江貴文氏。
日本も危ない! 元情報局員が教える「超監視社会」の脅威
『スノーデン 日本への警告』(著者:エドワード・スノーデン 集英社)
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件以降、テロ防止の名の下に、アメリカ政府は技術発展の著しいインターネットを通じた大規模な監視体制を構築していた。ところが対象となっていたのはテロリストだけではなく全世界の一般市民すべて......。2013年6月、これらの事実を暴露したのが米国元情報局員のエドワード・スノーデン氏である。『スノーデン 日本への警告』(著者:エドワード・スノーデン 集英社 778円)では、日本人に向け、今起きている深刻な事態や権力を監視するための方途をスノーデン氏が明快に解説してくれる。
「監視活動に関するアメリカと日本の協力関係」「ジャーナリズムの役割は政府の暴走を抑止すること」「流出資料で見る警備公安警察の監視の実態」「ナチスのユダヤ人大量虐殺を可能にしたものは何か」など、多角的な視点のトピックスで紹介。
基礎知識がゼロでもわかる! 中小企業のセキュリティ対策
『小さな会社のIT担当者のためのセキュリティの常識』(著者:那須慎二 ソシム)
マイナンバー制度、インターネットバンキングの不正送金、重要情報の漏えい、フィッシング詐欺など、情報セキュリティにまつわる出来事は、目にしない日はないほど頻繁に報道されている。多くの人は「他人事」だと思っているかもしれませんが、そうではないという。『小さな会社のIT担当者のためのセキュリティの常識』(著者:那須慎二 ソシム 1814円)では、サイバー攻撃やセキュリティ問題の基礎知識や仕組みをやさしい言葉で解説。目の前にあるパソコンやスマホに対する基本的なセキュリティ対策を施すことを主としているため、むずかしい技術的な説明や面倒な対策の話はほとんどない。
「中小企業の経営者のためのセキュリティ基本講座」「すぐできるセキュリティ対策の基本」「スマホ/タブレット利用時のセキュリティ対策」「マイナンバー制度とセキュリティ対策」など全8章。自社の情報資産をしっかり守るための対策はこれでOK。