ルペンから少子化対策まで あなたの知らない「フランス」教えます!
史上最年少の39歳、中道・無所属のエマニュエル・マクロン氏が、極右のマリーヌ・ルペン氏との決選投票を制しフランスの新大統領になった。
マクロン氏は、「自国第一」や大衆迎合主義(ポピュリズム)の流れを押しとどめたといわれる。だが社会の分断修復など、難題が待ち受けている。自由、平等、博愛のもと、フランスはどこへ行くのか。今回はフランスの「これから」、について紹介したい。
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国民戦線として過去最多の34%
『自由なフランスを取りもどす 愛国主義か、グローバリズムか』(著・マリーヌ・ルペン、編・木村三浩、花伝社)
フランス大統領選で欧州連合(EU)からの離脱や移民排斥を訴えたマリーヌ・ルペン氏(48)は、マクロン氏に大差をつけられたものの、国民戦線として過去最多の34%の票を獲得した。
『自由なフランスを取りもどす 愛国主義か、グローバリズムか』(著・マリーヌ・ルペン、編・木村三浩、花伝社、1296円)は、ルペン氏の演説、政策集(マニフェスト)、ポスターなどをまとめた初めての本である。
内容紹介のコメントは「なぜ世論はルペン氏を熱狂的に支持するのか」と問いかける。第1章は「自由なフランス――主権なしに、アイデンティティと繁栄はない」、第2章「フランス人であり続けること――文明の選択、三つの革命」、第3章「フランスの外交政策」、第4章「国民戦線(FN)公約144」。大統領選は終わったが、改めてその声に耳を傾ける必要がありそうだ。
フライパン1本でお手軽なフレンチ
『フライパン1本でできる お手軽フレンチ』(著・ダニエル・マルタン、サンマーク出版)
『フライパン1本でできる お手軽フレンチ』(著・ダニエル・マルタン、サンマーク出版、1836円)は、パリのマキシムやホテルリッツで副料理長、銀座のマキシム・ド・パリで総料理長を務めたフランス料理界の巨匠、ダニエル・マルタン氏が「もっと気軽にフランス料理のおいしさを楽しんでほしい」と1冊にした。
日本人にはフランス料理は「高級過ぎる」「堅苦しい」というイメージがあるが、本国ではカジュアルでお手軽な料理だという。メイン料理もオードブルやデザートまでフライパン1本だ。写真も載っているので、初心者も安心して作れる。
収録されているレシピは40例。オードブル「たらの白子 グルノーブル風」、肉料理「鶏肉のピカタ コルドン・ブルー」、魚料理「あじのトマト風味」、デザート「さくらんぼのロワイヤル風」などなど。自宅で巨匠の味を堪能できれば幸せである。
フランスはなぜ子育て大国なのか
『フランスはどう少子化を克服したか』(著・髙崎順子、新潮社)
日本の少子化対策がなぜうまくいかないのか。その答えのひとつが『フランスはどう少子化を克服したか』(著・髙崎順子、新潮社、799円)のなかにある。
フランスも少子化に悩んでいたが、今や子育て大国だ。合計特殊出生率では1・98、日本は1・42(2014年、OECDデータ)と開きがある。なぜ、日本では子供が増えないのか。パリ郊外で2人の子どもを育てるライターの著者、髙崎順子さんが現地の実情をレポートする。
日本とは違う発想や別の考え方があるようだ。第1章「男を2週間で父親にする」、第2章「子供は『お腹を痛めて』産まなくてもいい」、第3章「保育園には、連絡帳も運動会もない」、第4章「ベビーシッターの進化形『母親アシスタント』」、第5章「3歳からは全員、学校に行く」。文化論としても興味深い。