誰かに言いたくなる「銀座」解体新書 明治の歴史から文化人が愛した名店まで
2017年4月20日、東京・銀座6丁目にあった松坂屋銀座店の跡地に「GINZA SIX」がオープンした。
地上13階に地下6階と、銀座エリア最大級の複合商業施設で、日本初出店が11店、新業態65店を含む241のテナントが出店し、注目を集めている。銀座という街は古くから息づく歴史とトレンドの最先端が共存する場所。今回は、銀座の歴史や、通だけが知る粋な遊び方など、さまざまな角度から「銀座」に迫る3冊を紹介する。
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池波正太郎流 粋な銀座の過ごし方
『池波正太郎の銀座日記(全)』(著者:池波正太郎 新潮社)
1955(昭和30)年に創刊された日本で第1号のタウン誌「銀座百点」で、作家の池波正太郎氏が8年間にわたり、日常を淡々と綴った連載を1冊にまとめた『池波正太郎の銀座日記(全)』(著者:池波正太郎 新潮社 853円)。健啖家で、週に何度となく銀座に通い、映画を見たあとに馴染みの店や新しい料理屋を見つけては足を運んだ。そこで出会った味や、人々は、著者の旺盛な創作力の源であったという。
「池波正太郎の銀座日記(カンペールのクッキー、痛風で銀座遠し、思い出のトロワグロ ほか)」「池波正太郎の新銀座日記(菊池寛賞の授賞式、出さなかった年賀状 ほか)」。
どこにどんな店があったのか? 銀座の移りかわりが見えてくる
『銀座 歴史散歩地図:明治・大正・昭和』(著者:赤岩州五 草思社)
古地図や住宅地図、火保(火災保険地図)、商店街地図など30点余りの貴重な地図を使って、明治時代から現代までの銀座の地図と読み物で構成された『銀座 歴史散歩地図:明治・大正・昭和』(著者:赤岩州五 草思社 2808円)。
「萬朝報『時事新報』など、新聞社が集まる明治の銀座」「荷風が遊んだカフェーの街」「監督小津が山中貞雄をもてなした銀座」「進駐軍に接収、占拠された中心部」「闇市の帝王の『マンダリンクラブ』」ほか。
居住者名、店舗名がはっきりとわかる明治35年・昭和27年の貴重な地図も掲載。銀座の老舗やレストラン、バーをはじめ、作家の永井荷風氏、映画監督の小津安二郎氏など文人たちの通いつめた店はどこにあったのか、など地図や資料を元に探しあてている。
はずれなし! とっておきの名店を厳選紹介
『銀座食べ歩きポケットガイド』(編集:アスペクト編集部 アスペクト)
隠れた名店、知る人ぞ知るこだわりの店、気さくにもてなしがうれしいアットホームな店など、大人の楽しみ方ができるレストランガイド『銀座食べ歩きポケットガイド』(編集:アスペクト編集部 アスペクト 823円)。「老舗の美味に歴史あり」「ディナーの誘惑」「ときめきの洋食」「静かなる粋 和食」「世界の美食」「憩いの銀座喫茶」など全9章で、老舗から人気店を網羅している。
文庫サイズだから鞄にいれておくにも便利。店の場所がわかりやすい詳細なマップ付き。