イチロー並のテクニック? 巨人・坂本勇人が好調なワケ
プロ野球・巨人の坂本勇人内野手(28)が、2017年4月22日放送の「SPORTSウォッチャー」(テレビ東京系)の単独インタビューに出演した。
筒香嘉智や山田哲人、大谷翔平ら、年下の一流打者にも進んで声をかけ、打撃理論を交わす。番組では、坂本のそうした貪欲な姿勢にスポットライトが当てられた。
ゴジラ松井の助言は、目から鱗だった
坂本は15年12月のプレミア12で、並みいる強打者たちに話を聞き、「(打つ時に)下からすくい上げる選手が多い。8、9割はそう言っていた」との感触を得ていた。16年2月の宮崎キャンプでは、元巨人の松井秀喜氏に「軸足に9、前足に1の割合で体重を乗せる」と教わった。坂本にとって「今まで考えたこともないような感覚」と目から鱗だったという。
「大谷翔平や筒香、山田とかはね、バッティングの話を聞いてみると楽しいですよ」
「人によって考え方は全然違う。僕はそういうのに興味があるので聞きに行く。自分のことに自信がないので、色んな人に聞いて自分が良くなればいい」
坂本の打撃は昨季、さらに一皮むけた。打率は3割4分4厘で、4年ぶりに3割超え。プロ10年目で初めて首位打者のタイトルを獲得した。今季もここまで全試合に出場し、3割超えの好成績でチームを引っ張っている。
そんな坂本は、チームの若手に対し、
「もっとジャイアンツの若い選手は、そういう気持ちを持ってほしい。人に聞いたりする選手もなかなか見ない。僕は、それが不思議でしょうがない。普通は、『お前打てねえんだから、打てる人の話聞くだろ』となると思う」
と奮起を促した。
高橋監督「考えられないようなヒット」
坂本の打撃は今季、さらなる磨きがかかっているのかもしれない。そう思わされたのが、2017年4月22日の阪神戦だった。
坂本は3回裏、1点リードを許した1死2、3塁、一打逆転の場面で打席に立った。カウント2-2からの5球目、阪神先発・能見の内角フォークはベース手前でワンバウンドする寸前だった。だが、下からすくい上げるように振り上げられたバットが、地面すれすれのボールをとらえる。打球は中堅前に落ち、2者生還。これが決勝点となった。
本人は「どう見てもたまたまです」と苦笑い。だが、指揮官・高橋由伸監督は「僕は高めが好きだったので考えられないようなヒットですね」と絶賛した。
野球解説者の田淵幸一氏も、23日付のスポニチアネックス電子版で
「体勢が崩されても投手に向かっていく左肩は絶対に開かない。ギリギリまで粘って、最後は左手だけで振り抜いた。打席の左右の別こそあれ、これはイチロー(マーリンズ)と同じ打撃技術だ」
と賛辞を送った。
22日放送の「Going! Sports&News」(日本テレビ系)では、野球解説者の赤星憲広氏が「バットの軌道をとっさに変えて、ボールに当たりやすくしたこと」「打った直後に手首を返して、センター方向に飛ばしたこと」の2つをポイントに挙げる。
「左方向だけでなくセンター、ライト方向にも打てるようになっており、レベルはどんどん上がっている。ずっと打ち続けると思う」
と称賛した。