巨人「打たないし打たれる」
オープン戦最下位!どうなってるの
巨人の新旧戦力の歯車がまったくかみ合っていない。
昨オフに「やりすぎ」と批判が続出するほどの大型補強を敢行したものの、オープン戦では投打が崩壊、12球団最下位に沈んでいる(2017年3月21日現在、以下同)。
「外国人」「ベテラン」「FA」枠の誤算
巨人はオープン戦を15試合消化して、4勝11敗と大きく負け越している。チーム打率.202、防御率4.56は、ともに12球団ワーストだ。
まず、投手陣。「外国人枠」は、守護神候補で新加入のカミネロが4試合登板でいまだ失点なしと期待に応えるピッチングを続けている。昨年はケガで出遅れたものの先発ローテーションの柱として安定感抜群の投球を見せたマイコラスも12イニングで防御率2.25と好調だ。
しかし、「ベテラン枠」では、かつては馬車馬のごとく活躍したもののここ数年は陰りをみせる内海哲也、山口鉄也が結果を残せていない。
ケガからの完全復帰を目指すベテラン・杉内俊哉は、3月16日のソフトバンク戦で約1年半ぶりに1軍登板を果たすも4回途中3失点とやや精彩に欠けた。
「FA枠」にいたっては、3年総額7億円で入団の山口俊は、入団前から右肩痛を抱えキャンプインから3軍暮らしが続く。
期待がかかる若手たち
野手陣もピリッとしない。昨季は24ホーマーと長打力が自慢のギャレットは打率.077(28打席)と苦しみ本塁打もゼロ。新助っ人のマギーも、13年の楽天イーグルスの日本一に貢献した雄姿はどこへやら、打率.171(47打席)と本来の力を発揮できていない。「太りすぎ」と指摘する声もある。昨シーズンは「限界説」を一蹴する活躍をした村田修一と阿部慎之助も同様だ。
FAで5年総額15億円の陽岱鋼は、実戦デビューとなった3月19日のイースタン戦で「下半身の張り」を再発させ開幕は微妙な状態だ。
若手はどうか。期待のホープとし注目が集まる15年ドラフト1位・2位の桜井俊貴、重信慎之介、14年ドラフト1位の岡本和真の3人も、実戦機会を与えられるも開幕一軍を確信させるようなアピールを見せられていない。
かろうじて、大型ルーキーとして注目株のドラ1・吉川尚輝と201センチ右腕・廖任磊(リャオ・レンレイ)は首脳陣からの評価が高い。
吉川は、1月の自主トレ中に右腕の異常を訴えキャンプは3軍スタートも、ファームで「正二塁手」候補として実戦を積み、開幕前の1軍招集が決まっている。
リャオは、制球に課題があるものの201センチ、125キロの巨漢から繰りだす角度のある直球が魅力で、新人一番乗りで1軍帯同を果たした。
今オフの秋季キャンプでは「若手の育成&強化」を掲げた高橋由伸監督。オープン戦とはいえ、この低調ぶりに、巨人ファンはやきもきするばかりだ。