「独立二世帯住宅」は「別々の家感覚で良好な人間関係」 旭化成ホームズ調査
旭化成ホームズの「二世帯住宅研究所」が2月10日の「二世帯住宅の日」に合わせ、「独立二世帯住宅」と「一体同居住宅」におけるインターネット調査を実施した。
「独立二世帯住宅」の同居満足度が「一体同居住宅」を20%超上回るなど、外から見れば同じ「同居」でも、中身はまるで違うことが浮き彫りとなった。
食べ物を分け合う習慣も
「独立二世帯住宅」は、一つ屋根の下に住みながら親世帯と子世帯の生活空間が分かれている状態を指し、「一体同居住宅」とは生活空間を共にする状態をいう。
旭化成ホームズは16年12月のインターネット調査で、親子2世帯で暮らす男女622人に 同居感覚や互いの人間関係、世帯間交流の有無などを質問した(独立二世帯の居住者は子世帯152人、親世帯52人の204人。一体同居の居住者は子世帯270人、親世帯148人の418人)。
親世帯と子世帯の同居感覚を聞くと、一体同居の居住者の87.3%が「同じ家に住んでいる感覚」があるとした一方、独立二世帯の居住者の70.1%が「別々の家に住んでいる感覚」を持っていると回答した。「母とはよく話をする」「母に気軽に子どもの世話を頼める」とする割合では、独立二世帯の居住者が上回り、同居満足度でも独立二世帯の居住者が93.6%、一体同居の居住者が66.3%となった。適度な距離感を取りながらも、良好な人間関係を築けるのが、独立二世帯住宅の特徴といえる。
独立二世帯住宅の親世帯と子世帯が交流を深めるには、自ら機会を設ける必要がある。独立二世帯の居住者に「日常の夕食を相手世帯と一緒に食べる頻度」を質問すると、「月に1日以下」が72.1%だった。「母を見かけない日もある」と答えたのが66.9%を記録した一方、「珍しいものや美味しい頂き物は分ける」が74.0%にも上ったことから、生活空間は別でも交流を絶やさない、メリハリのある生活様式が垣間見える。
相手世帯に依存するか否か
独立二世帯住宅と一体同居住宅の決定的な違いは、相手世帯に依存するか否かにある。「自世帯の生活リズムで暮らしたい」とする割合では、独立二世帯の居住者が92.2%、一体同居の居住者が80.4%と大きな差はなかったが、「相手世帯に家事を頼るか?」「相手世帯を経済的に頼るか?」の質問では、明確に差が生じた。独立二世帯の親世帯が子世帯に「家事を頼る」のはわずか1.9%だったが、一体同居の親世帯でみると40.5%を記録している。
政府が2015年3月、「少子化社会対策大綱」の中に「世代間の助け合いを目的とした『三世代同居・近居』の促進」を盛り込むなど、親世帯と子世帯が手を取り合って共生する「同居」「近居」は当たり前の世の中になった。「同居」でもなく「近居」でもない第3の選択肢として、双方の良さを生かした「独立二世帯住宅」も展開されている。