これぞ一流の転職エージェントの仕事! リクルート「グッドエージェント賞2016」の受賞者エピソードが超熱い
人材紹介サービスを展開するリクルートキャリアは2016年11月10日、転職エージェントを表彰する「グッドエージェント賞2016」を東京都内で開催した。
転職は表面的な条件(給与やポジション、企業規模)のみで決めてしまうと、早期離職につながってしまうことがある。求職者では発見することの難しい自らの持ち味をうまく企業に伝える。また、希望する労働条件や企業風土など、求人企業に質問しづらいことを確認する。そうしたきめ細い本音の対話を促して、求職者と求人企業とのミスマッチを減らし、入社後もイキイキと働けるように支援する――それが転職エージェントの仕事だ。
海外で働く夢をもった女性を2年かけて支援
当日は金賞受賞者5人がそれぞれの受賞案件についてプレゼンテーションを実施。その内容を審査員5人と観覧者365人が評価して、大賞およびオーディエンス賞が決まった。
大賞に輝いたのは「Youth Planet」(千葉県浦安市)の堀田誠人さん。「海外でバリバリ働くキャリアウーマンになりたい」という夢を抱いていた23歳女性Tさんと出会い、2年にわたり彼女の転職活動を支援した。
とある企業のシンガポール法人を立ち上げた経験のある堀田さんは、いきなり理想の会社にアプローチするのではなく、海外転職に必要な実務能力を身に付けるようアドバイスし、国内保険会社の営業職を紹介する。保険会社の人事部は彼女の真意をくみ取った上で採用を決める。そこでメキメキと実力を磨いたTさんは2年後、当初の目標「3~5年後に海外で働く」を待たずして、シンガポールのベンチャー企業の立ち上げスタッフになり、夢を現実のものにすることができた。
社会人が転職を考えるようになった動機で多いのは、「現職で明確な軸が形成できたので、専門性をさらに活かせる仕事に就きたい」というもの。今回はそれと異なるパターンだ。もしTさんが周囲の人だけに助言を求めていたら、2年で希望の仕事に転職するのは困難だったかもしれない。
Youth Planet以外の受賞者は下記の通り。エントリーのレベルが高かったことから、金賞のほか特別賞が設けられた。
【金賞・オーディエンス賞】
「プロフェッショナルバンク」(東京都千代田区)の近藤主規さん
【金賞】
「アールストーン」(同豊島区)の小須賀陶子さん
「R4CAREER」(名古屋市中区)の金子玄さん
「ワークポート」(東京都品川区)の高田静夫さん、辻健斗さん
【特別賞】
「ファイブセンス」(大阪市中央区)の小濵豊弘さん
「リージェント」(香川県高松市)の佐々木一弥さん
「リクルートキャリア」(東京都千代田区)の杉山友章さん
求人企業と求職者を仲介する人材紹介サービスの特徴は、求職者側から見ると、貴重な「非公開求人」に出会えるだけではなく、経験豊富な専門のコンサルタントが、求職者に寄り添い、目には見えない「持ち味」を表出化させ、その人に合った企業に出会えるようにサポートしてくれるところにある。
産業構造の変化や人口減少など、社会が急速に変化をしていることを背景に、求職者個人の価値観やその人が抱える状況も複雑化している今だからこそ、こうしたエージェントサービスが果たす役割は大きくなっている。
今回の受賞者はみな、求人企業や求職者自身よりもさらに深く本質的な課題を捉え、遠くの未来を考え抜き、双方の幸せにとことん向き合っている。
リクルートキャリアが賞を設けた理由
人材紹介サービスを展開しつつ、400社を超える転職エージェントと提携するリクルートキャリア。商品本部・中途メディアプロデュース統括部・採用ソリューション開発部の神澤さんは、自社の事業内容を次のように説明する。
「プロのエージェントが結集することで、『新たなマッチング』を生み出し広げることにこだわり続け、『活力あふれる人と企業』を増やし、社会に貢献する。これが転職エージェントとの提携サービスで、私たちが目指す世界です。自社の苦手な領域・地域などを全国の転職エージェントと提携することにより補い合い、結果的に我々のカスタマー(求職者)の転職の決定数・質を最大化することを目的としてこの事業に取り組んでいます」。
またグッドエージェント賞を開催する理由について、
「人材紹介業界自体の品質の維持向上と、世の中の求職者の方々や企業の皆さんに『転職エージェントっていいものなんだ。使ってみたいな』と思っていただくことを目的として、この賞を開催しました」
と述べた。
読者の中で転職を考えている人がいれば、特設ページを参照のうえ受賞者に相談してみてはいかがだろう。
転職エージェントにはそれぞれ得意分野がある。営業・マーケティング系に強い、外資系にネットワークを持っている、30・40代の紹介に実績がある――。社員規模もさまざまで、例えばリクルートキャリアの提携先の場合、社員1人から数百人が働く企業まである。転職先がそうであるように、会社の規模で判断するのではなく、「自分が目指す未来を見据えた時に、どの転職エージェントがぴったりなのか」、という視点で探すのがよいだろう。