回転寿司の覇者「あきんどスシロー」東京・池袋にオープン 絶品独自メニューに記者もうなった!
回転寿司チェーンの「あきんどスシロー」(大阪府吹田市)は2016年9月15日、JR山手線内における初店舗「スシロー南池袋店」(東京都豊島区)をオープンする。
9月12日、同店でマスコミ向け内覧会および新商品試食会が催された。注文した商品がすぐに席まで届く「Auto Waiter(オートウェイター)」やセルフレジは同社初の導入となる。定番のすしネタやサイドメニューに加えて、ビジネスパーソン・学生向けに同店限定メニューを用意した。短時間で食事をすませたい人やカフェ志向の若者を取り込む狙いだ。
同社は「原価率50%主義」を掲げ、味にこだわる姿勢を前面に打ち出している。一方で都心型店舗は出店コストがかかる。「安価な素材を使うことで味を落としたくない」という思いから、一皿の基本価格を120円(税抜)に設定した。一方で、通常の回転寿司では提供が難しい高付加価値商品を200円(+税)、300円(+税)、980円(+税)で販売する。
都心型店舗のターゲット層は「ビジネスマンと学生」
あきんどスシローは全国に438店舗を展開する。01年から首都圏出店を開始したが、出店先は郊外のロードサイドだった。東京有数の繁華街でしかも回転寿司の激戦区である池袋に出店した理由とは。同社の野口清史広告宣伝部長は次のように説明する。
「都心部にお店がないことについて、『スシローに行きたいが近くに店がない』『スシローに行きたいけどアクセスが困難』と、お客様から多々お声をいただいています。弊社の企業理念は『うまいすしを、腹いっぱい。うまいすしで、心も一杯』。それを都心部の皆様にも体感いただきたく、都心部戦略を進めることにしました」
「郊外店ですと客の入りのピークとそうでない時間帯の2軸に分かれます。ところが都心ですと、2時~5時のいわゆるアイドルタイムに、学生のお客様がカフェとして来店することもあります。この場所を選んだのはそうした条件にマッチすると考えたからです」
池袋駅は1日当たりの乗降客数が全国2位。ビジネスパーソンや近隣の住民、大学生、専門学校生で終日にぎわう。郊外よりも客層が複雑なことから、立地に合ったニーズに応える必要があると同社は分析した。客を呼び込むべく開発された商品群――それが「池袋セレクション」だ。
ボリュームたっぷりの一風変わった寿司ということで、パンを使った「鯖(さば)バーガー」(200円+税)を展開する。「すしドッグ3種」(各120円+税)はソーセージを用いた変わり種。エンガワ、シメサバ、びん長マグロの3種を一皿にした「にぎり3貫」(120円+税)は、都内で働くビジネスパーソンに訴求する。
記者は鯖バーガーを試食した。光り物や青物が大の苦手で、普段は目をつぶって食べるほど。鯖バーガーはふわふわのパンでサバをサンドしている。心理的抵抗はない。試食前は変わり種の極みと思っていたところ、パン生地とサバの相性がいいのにビックリした。苦手を一つ克服し、また食べたいと思ったくらい。
先述の通り、池袋はカフェ需要が高いと同社は分析する。練乳いちごパフェやカフェラテといった若者向け飲み物やデザートも提供する。仕事帰りの社会人が「ちょい呑み」できるようアルコール飲料もそろえた。
また池袋は外国人旅行者の姿を多く見かけるエリアでもある。タッチパネルは多言語に対応。このほかレジ付近に自社キャラクターグッズ「だっこずし」を陳列販売することで、インバウンド需要の取り込みも狙う。
通称「びっくりガード」付近にあるフェイスビルの地下1階に南池袋店はある。西武池袋線池袋駅の西武南口やジュンク堂書店池袋本店からそれぞれ徒歩1分。レーンは2列で席数は113席。典型的な郊外店と比べるとやや狭く、混雑が予想されるものの、回転は早そうだ。スマホ向けアプリ「スシローアプリ」で席の予約ができたり、テイクアウトにも対応したりと、客を待たせない工夫も光る。
営業時間は平日が11時~23時で、土日祝は10時30分~23時。