フルマラソンに挑戦しませんか 「欽ちゃん」が完走できた理由
リオデジャネイロ五輪で日本のマラソンは男女とも惨敗した。4年後の東京五輪には是非復活してもらいたい。一方で、市民マラソンは毎年大盛況だ。東京はじめ全国各地で大会が増え、老若男女を問わず大勢が参加する。健康のためのランニングを始める人も多い。9月12日は「マラソンの日」。紀元前にアテネの兵士が勝利を伝えるために走り続けたという故事に基づく。今週は、ランニングやマラソンのやり方、ウルトラマラソンの魅力など3冊を紹介する。
J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(https://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。
「24時間テレビ」で走る芸能人ランナー
『ゼロからのフルマラソン』(著・坂本雄次、祥伝社新書、821円)
「欽ちゃんは、なぜ24時間マラソンを完走できたのか?」。日本テレビ「24時間テレビ」のマラソンプロデューサーとして、歴代のタレントランナーを指導してきた坂本雄次さんの著書『ゼロからのフルマラソン』(著・坂本雄次、祥伝社新書、821円)は、こんな問いかけで始まる。素人の有名人を完走させてきた経験やエピソードを交え、いつの間にか一人前のランナーに育ててくれる初心者向け入門書だ。
「欽ちゃん」には萩本欽一流のトレーニングの秘密があり、10か月間一緒に走って教えられたこともあるという。「マラソンの基礎」「初心者は何から始めたらよいか」から「誰でも完走できる坂本式トレーニング」を具体的に説明し、「いざ、フルマラソンに挑戦」とゴールへ向かう。
坂本さんは1976年から独自でランニングを始め、東京電力の陸上部監督を15年間務め、素人集団のなかから2時間30分台のランナーを育て、現在はランニングやマラソンを中心に幅広い総合プロデューサーを展開している。
福原愛ちゃんやクルム伊達公子を支える
『世界一やせる走り方』(著・中野ジェームズ修一、サンマーク出版、1404円)
やせるためにスポーツをする。スポーツをするためにやせる。両者は、切っても切れない関係だ。
『世界一やせる走り方』(著・中野ジェームズ修一、サンマーク出版、1404円)は、卓球の福原愛選手やテニスのクルム伊達公子選手ら数々のアスリートや芸能人の肉体改造を支えてきた中野ジェームズ修一さんの効率よくやせるための方法だ。
まずは「一歩を踏み出す」「継続し習慣にする」「やせるための刺激を体に与える」の3つのステップを踏んで、「これから走ろうと思っている」「ケガや意欲の低下でやめてしまった」「走ってもなかなかやせない」という人たちにすぐ役に立つ。体づくりや食事のあり方を学び、自分の体の「やせスイッチ」を見つければ、体脂肪がみるみる落ちる29のコツがわかる
ウルトラマラソンで得た仕事と人生の教訓
『ランニング思考――本州縦断マラソン1648kmを走って学んだこと』(著・慎泰俊、晶文社、1620円)
42.195キロを超える距離を走るウルトラマラソンは、ただ速く走るだけの競争ではない。『ランニング思考――本州縦断マラソン1648kmを走って学んだこと』(著・慎泰俊、晶文社、1620円)は、過酷なウルトラマラソンの体験から得られた仕事と人生の教訓だ。
その真髄とは――「逃れようのない長い苦しみを意図的に作りだし、苦しみの中で自分を静かに見つめながら、心を整え、仕事や人間関係、生き方について大切なことを学び取ること。一言で言えば、僕が長い距離を走る一番の目的はここにある」と語る。
いかなるマインドセットで臨み、ふりかかるアクシデントをどう乗り越えるか、日頃のエクササイズはどうするか。1648キロを走破した本州縦断マラソン、520キロの山道を走りぬく「川の道フットレース」、佐渡一周208キロのウルトラマラソンなどを通して、生きること、働くこと、自己との戦いとは何かについて考えさせられる。