紅葉シーズンを前に温泉マスターになれる
まだまだ残暑が続き、夏の疲れが感じられる今日この頃。そんなとき、ふらりと出かけたいのが心身ともに癒される温泉だ。9月9日は「温泉の日」で、町内に数多くの温泉が点在する大分県九重町が、「九重九湯」と呼ばれていることから制定したという。今回は温泉のプロたちが教えてくれるウンチクからさまざまな楽しみ方まで徹底解説する3冊。
J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(https://books.j-cast.com/)」でも特集記事を公開中。
「温泉教授」が教えてくれる究極の温泉指南本
『温泉手帳』(著・松田忠徳、東京書籍、1620円)
札幌国際大学観光学部教授(温泉学、観光学)・モンゴル国立医科大学伝統医学部教授(温泉健康医学)で旅行作家の松田忠徳氏。日本で初めて温泉を学問として捉え「温泉学」という分野を切り開き、「温泉教授」の異名で知られる松田氏による温泉百科・ガイド『温泉手帳』(著・松田忠徳、東京書籍、1620円)。
本書では「泉質分類」「泉質別の温泉案内」「温泉の歴史・起源」「共同湯の魅力」「文人が愛した名湯」など、効能・歴史・建築・湯治・作法・料理から文学・お土産ものまで徹底解説されているので、温泉に関する知識が倍増し、いままで以上に楽しむことができそう。松田氏厳選の「55のベスト温泉地・90の間違いない名旅館」はぜひ参考に。
温泉に親しみ、温泉で元気になり、その醍醐味を味わう
『温泉の科学 温泉を10倍楽しむための基礎知識!!』(著・佐々木信行、サイエンス・アイ新書、1296円)
日本温泉科学会評議員・理事、日本温泉科学会第53回大会長などを務めた著者が、温泉の基礎知識から、物理的効果や成分による違い、代表的な入浴法、飲泉やタラソテラピーといった活用法、さらには温泉の歴史から温泉土産までを解説する『温泉の科学 温泉を10倍楽しむための基礎知識!!』(著・佐々木信行、サイエンス・アイ新書、1296円)。
「いまあらためて、現代という時代にとって温泉とはなにか、ということを考えてみると、そこには現代社会の抱えるさまざまな問題や課題が浮かび上がってきます。温泉は現代に生きる私たちの生活のあり方について、なにか重要なメッセージを発しているように思えるのです」(本書より)。
豊富な写真とともに「温泉の性質と分類」「温泉の効能と利用法」「温泉の文化と芸術」「現代の温泉と未来」など全10章で温泉を楽しむために役立つ知識を解説していく。
温泉常識のウソを徹底検証。本当に優れた温泉はどこ?
『究極の源泉宿73――誰も書かない"源泉かけ流し"の真実』(著・小森威典、飯沼覚寿、祥伝社新書、1080円)
25年にわたりテレビ業界で報道・ドキュメントの制作に携わり、温泉番組制作は120本余りという小森威典氏と、1988(昭和63)年に温泉を掘削、西那須温泉「大鷹の湯」を経営しながら、全国の源泉湧出口と湯舟の測定を行い、本物温泉研究集団を立ち上げる飯沼覚寿氏の共著『究極の源泉宿73――誰も書かない"源泉かけ流し"の真実』(著・小森威典、飯沼覚寿、祥伝社新書、1080円)。本書では、源泉湧出口から湯船までを徹底検証。究極の73軒を紹介し、さらにその中からベスト10を選定している。
「温泉旅館13500軒、源泉100%は1%だけ」「加水したら、源泉100%とはいえない」「長時間、空気にさらした源泉は、ただのお湯」「健康に著しい効果を上げる入浴法がある」など、独自の視点で温泉を厳しく評価。おすすめの入浴法も紹介してくれる。