ホンネで語る「人間ドックの日」 信じられるのは医者の言葉か、それとも数字か
俳優の渡辺謙さんは妻で女優の南果歩さんに強く勧められた人間ドックで早期の胃がんが見つかった。おかげで内視鏡手術で快復した。がんに限らず、元気そうにみえる人にも怖い病気が潜んでいる。それを見つけてくれるのが人間ドックだ。日本で初めて人間ドックが行われたのは1954年7月12日のこと。早期発見、早期治療の大切さを改めて思い起こす日だ。今回は医者のホンネや病気にまつわる3冊を紹介したい。
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自分が患者なら飲みません
『先生が患者ならどうします?』(著・岡田正彦、1404円、ダイヤモンド社)
「医者はウソをつくけど、数字はウソをつかない」。なるほど、一面の真理だ。では、医者のホンネはどこにあるのか。実はこんなことを言っているのだ。「自分が患者だったらこの薬は飲まない」「この検査は家族に絶対受けさせない」。えっ、ホントなの?
『先生が患者ならどうします?』(著・岡田正彦、1404円、ダイヤモンド社)は、医療統計の第一人者の著者が根拠のあるエビデンスをもとに薬や治療法の真実を明らかにする。
「ジュネリック医薬品は安全でない!?」「定期健診・人間ドックは寿命を縮める」「レントゲン検査は発がん原因の第4位」「10人に1人が間違って診断される乳がん」「認知症の早期発見・早期治療に意味ない」――。信頼できるのは医者か、数字か。
健康診断で「B判定」といわれたら
『健康診断 その「B判定」は見逃すと怖い』」(著・奥田昌子、950円、青春出版社)
健康診断の結果をちゃんとチェックしていますか。隠れた病気のサインを放っていたら大変なことになりますよ。『健康診断 その「B判定」は見逃すと怖い』」(著・奥田昌子、950円、青春出版社)は、健診結果の正しい読み方と対処法を教えてくれる。
難しいのは境界線といわれる「B判定」だ。通常、A、B、C、D、Eの判定があるが、B判定(経過観察)なら「まあ、大丈夫」と安心する人が多い。だが、血糖B判定の4人に1人が糖尿病に、血圧B判定の2人に1人が高血圧になっている。
予兆を見逃してはいけないがん、脳卒中、心筋梗塞など危ないB判定の注意点や、コレステロール、血糖、血圧などをA判定に戻す方法もある。大規模健診センターで20年にわたり20万人以上の人間ドック・健康診断を行ってきた健診医の忠告であり警告だ。
「血液サラサラ」より「血流たっぷり」
『血流がすべて解決する』(著・堀江昭佳、1404円、サンマーク出版)
「血液サラサラ」といわれる言葉はよく聞かれる。だが、『血流がすべて解決する』(著・堀江昭佳、1404円、サンマーク出版)によると、血液の改善には「血流たっぷり」の方が先だという。
イライラ、モヤモヤなど心と体の悩みの原因には血流に問題があることが多い。血流が悪いのは、血をつくれず、血が不足しているためだ。女性の場合は特にそうだ。血をつくり、血を増やし、それによって血流を良くしようという健康法である。「血をしっかりつくるための食べ方」「元気な血を増やすための眠り方」「静脈の血流をよくするための生活習慣」と具体的に紹介する。
著者は島根県の出雲大社の表参道で90年続く漢方薬局の薬剤師。西洋医学、漢方医学、心理学の3つの視点からのアプローチが評判で、不妊、うつ、ダイエット、自律神経失調症など予約がいっぱいだそうだ