異才輩出の名門「京大」がゲーム型サイトをオープン コンセプトは「最短ゴールよりも回り道が大切」
京都大学(京大)は2016年5月13日、中高生を対象とするゲーム型サイト「探検!京都大学」のモバイル版を公開した。
実在する京大の建物、学生、研究者、研究ストーリーをモデルにした「惑星 京都大学」が舞台だ。ゲームはすごろく形式で展開する。サイコロのアイコンをクリックし、出た目の数だけ進める。ことあるごとに「マニアックなクイズ」や「こじらせ系のキャラクター」、「防ぎようもないトラップ」が出現する。
運と実力の両方がそろわない限り、何度もやり直しさせられる。プレーヤーはスマホを投げ捨てたくなるかもしれないが、それがこのサイトのだいご味だ。
回り道こそ京大精神の現れ!?
14年10月に就任した山極壽一総長は、他大学にはないユニークさや魅力を分かりやすく伝えるブランド戦略を推進している。本サイトはその一環として誕生した。
同大学は「フィールドワーク」を伝統とする。学生や研究者は常に他の人と違うことを発想しようとし、合理的なことやそれがいったい何のためになるかではなく、まず「おもろい」ことを考える。一見無謀だと思われることに自分で問を立てて、果敢にチャレンジする。
このサイトは回り道をしないとゴールにたどり着けない。いろんなキャラクターに会って話を聞いたり、様々なハプニングを経験したり――。少人数のゼミナールや研究室で濃密な人間関係を築きながら、高度で専門的な学問を追求していく、京大の学風の縮図といっても過言ではない。
気になる謎キャラ「神イカ京」
ゲームにチャレンジしたくなった人は、早速サイトにアクセスしよう。まずは性別を選んで、プレーヤーの分身である「アバタ―」を作成する。
キャンパスに見立てたステージは、「吉田のジャングル!」「桂の実験島」「そのまますぎる水族館」「カオスがすぎる宇宙」の4つに分かれている。各ステージには先生がいるのだが、途中で出題されるクイズに正解して3つのアイテムを手に入れないと、先生の正体は明らかにならない。
クイズは「神イカ京」と呼ばれるキャラクターが出題する。そのルックスはリアルな若者の平均的なファッションセンスからは離れているが、京大生から一目置かれる存在だ。
ちなみにイカ京とは「いかにも京大生」の略。ジーンズにシャツをインして、中年男性向けの黒の革ベルトを使用している。考えてみれば、アップルの共同設立者のスティーブ・ジョブズ氏やフェイスブック創業者のマーク・ザッカーバーグ氏もファッションには疎かった...。
また山極総長が飼っているという「こじらせゴリラくん」というキャラも登場して、京大の豆知識を教えてくれる。
以上の4ステージをすべてクリアすると「未来ステージ」が出現する。「ゲームの進め方」には次のように説明されている。いかにも自主性を重んじる京大らしい。
「クリアする意味があるかどうかは、君が判断してください」