牛ヒレ×温玉×あんこ!? 台湾流和食「フィリップ牛丼」作ってみた
「SUSHI」や「TENPURA」など、今や世界でも人気を誇る日本食。しかし現地では、寿司のネタやみそ汁の具に斬新すぎる食材を使うなど、「どうしてこうなった」と思ってしまうような「トンデモ日本食」も少なくない。
そんな「海外日本食」の中でにわかに話題になっているのが、台湾発の「フィリップ牛丼」だ。不思議なネーミングもさることながら、焼肉丼になぜか「あんこ」を組み合わせるという奇抜なもので、しかも意外と美味しいらしい。一体どんな味がするのか、「フィリップ牛丼」を作ってみた。
「フィリップ」の由来とは...
日本で「フィリップ牛丼」が話題になったのは、台湾に縁のある日本人から寄せられた、複数のツイートがきっかけだ。
マキシベルの台湾焼肉丼をエッセイ。焼肉丼+餡子とか!!!
— ここなっつ4日西1C61a (@coconut_77) 2016年3月8日
フィリップ牛丼だそうです。#台湾 #飯テロ #グルメ #エッセイ pic.twitter.com/wEFksn2sJW
いま台湾の若い人達に一番人気の食べ物はフィリップ牛丼。なぜフィリップというのかは知らない。 pic.twitter.com/4pEBZoOyER
— haruo (@HaruoUchida) 2016年4月23日
このツイートを見た人からは、「美味しそう」「食べたい」といった反応のほか、「フィリップ牛丼ってなんやねん」など、謎のネーミングへのツッコミも。さらに
「あんこかけるんですか...!?!?ww味が想像できません...!!」
と、焼肉丼×あんこという「トンデモ」っぷりに驚きの声も上がっている。
気になる名前については、現地での表記は「骰子菲力丼」。「骰子」は「さいころ」、「菲力」はヒレ肉を意味する。つまり「ヒレ肉のサイコロステーキ丼」なのだが、Google翻訳で「骰子菲力丼」を日本語に訳すと、「ダン・フィリップサイコロ」という結果に。この「フィリップ」を取って「フィリップ牛丼」という名前にした可能性がある。
僕も見つけたフィリップ牛丼。つかヒレ肉=菲力だぬ pic.twitter.com/LyurSHRqWP
— rockonst@ジエニスト (@rockonst) 2016年4月23日
あんこと一緒に食べる肉の味は
先に紹介したツイートにある通り、「フィリップ牛丼」は台湾の焼肉丼チェーン店「開丼!いただきます」で、日本円で1000円ほどで食べることができるようだ。
しかしこの店はまだ日本進出しておらず、日本で「フィリップ牛丼」を食べられる店というのも聞いたことがない。
謎の名前の由来は推測できたが、焼肉丼にあんこをかけたら一体どんな味がするのかは食べてみないとわからない。そこで、自己流で作ってみることにした。
用意したものは牛ヒレ肉、玉ねぎ、卵、にんにくチューブ、そしてあんこを使うべくまんじゅうを1つ。
サラダ油でにんにく、薄切りの玉ねぎ、一口サイズに切った肉を炒める。味付けは写真からはうかがい知れなかったので、失敗がないよう、エバラ食品の「黄金の味中辛」を用いてみた。
白飯の上に炒めたものを乗せ、上に温泉卵をトッピング。まずはそのものの味を楽しむ。...美味しいのだが、「普通に美味しい」という印象だ。牛肉と玉ねぎを焼肉のたれで炒めてご飯にのせたらそりゃあ美味しいよね、という具合で、何の意外性もない。
ここで傍らに置いておいたまんじゅうの出番だ。皮をはぎとり、あんこだけをレンゲに乗せ、卵をからめた肉、玉ねぎ、ご飯とともにかっこむ。
...確かに意外と美味しい!
この味を何に例えたらよいかはわからないが、あんこの甘さと焼き肉のしょっぱさ双方が主張しつつ、なかなかマッチしている。あんこナシバージョンがあまりに普通の味だったので、あんこと一緒に味わった方が新鮮な分美味しく感じるほどだ。
こんな斬新で美味しいメニューを提供している「開丼!いただきます」、一体何者なのか。改めて公式サイトをチェックしてみると、メニュー表に「丼にセットとして付くもの」として「生菜杯」(レタス)、「味噌湯」(みそ汁)、「玄米煎茶」、そしてあんこの写真の隣に「日式甜點」の文字が。「甜點」とは「デザート」を意味する言葉だ。
実はあんこはデザートとしてセットになっていただけで、丼にかけることは全く想定されていなかったということか...?
ただ、意外な美味しさが楽しめることは身をもって経験したので、もし「フィリップ牛丼」に触れる機会があったら、試しにあんこをかけて食べてみてほしい。