猛毒ヘビの「ハブ」がモチーフ! 鹿児島・奄美で強烈インパクトのタイツが誕生したワケ
ウェブやグラフィックのデザイン、地場産品をモチーフにした商品開発を手がけるアビコムデザイン(鹿児島県奄美市)は2016年5月3日、奄美大島に生息するヘビ「ハブ」の柄をリアルに表現したレッグウエアとして、「HABU ROCK(ハブロック)|タイツ&レギンス」を発売した。
ハブ革骨加工品専門店「原ハブ屋」(同)協力のもと、奄美大島産本ハブ革「銀ハブの原色なめし」という珍しいカラーを見事に再現したアイテムだ。
昨今のトレンドにもマッチした「ハブロック」
ヘビの鱗(ウロコ)模様は見る人をギョッとさせる。ところが昨年から、似たようなデザインの「PYTHON(パイソン)柄」がトレンドとなっている。アニマル柄としては控えめながら、高級感をイメージさせる点がその理由だ。ちなみにパイソンとは英語で「ニシキヘビ」という意味。
ハブロックの素材はポリエステルが91%でポリウレタンが9%、サイズはMとL (ヒップ85cm-98cm、身長150cm-165cm) がある。置き寸が約95cmで、繊維の太さを表わすデニール数は80となっている。日本製。
価格はタイツが4000円(税別)、レギンスが4500円(同)。アビコムデザインのオンラインショップで購入できる。
商品に込められた奄美活性化への思い
今回の商品化についてアビコムデザインは、ハブを広く知ってもらいたいとその意図を説明する。
「ハブ柄をファッションとして楽しんでいただくことはもちろん、実際のハブについて理解していただければ嬉しいです。また、ハブが生息しているからこそ、守られてきたとも言われる奄美大島の貴重な動植物についても興味・関心を持っていただき、『奄美・琉球』が世界自然遺産候補地として選ばれていることを知っていただければ幸いです」
奄美諸島や沖縄本島周辺に生息するハブは、マムシと並ぶ日本固有種の毒ヘビだ。2本の牙(きば)は注射針のような構造をしており、先端から毒液を排出する。奄美大島の至る所にいて、島全体の人口が6万5000人程度なのに対し、10万匹から20万匹ほど生息するといわれる。15年4月から16年3月までの1年間、島内でハブにかまれた人は16人だった。
咬まれると死に至る可能性もあるハブ。一方で生態系の頂点に君臨し、その活動が生態系を守ってきた。地元を代表する生物を商品化することで、地域活性化に貢献したい――そんなアビコムデザインの思いが込められている。
同社の開発した商品はほかにもあり、大島紬の代表柄をモチーフにしたカラフルなタイツ、レギンス、靴下を展開している。