不幸な「別れ」があれば、幸せな「別れ」もある 男も女も金も仕事も「出会い」こそすべて
会うは別れの始め。会者定離(えしゃじょうり)という。会う者は必ず別れる運命にあるという意味だ。《花に嵐のたとえもあるぞ さよならだけが人生だ》―井伏鱒二の漢詩「勧酒」の名訳もある。小説や映画でも別れのシーンは涙を誘う。3月に入ると卒業式が始まる。巣立ちのときであり、晴れの門出の日だ。喜び悲しみ、あちこちで様々な光景がみられる。今回は出会いと別れにまつわる3冊を紹介したい。
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魅力的な人と出会うノウハウ
人生が思い通りになる出会いの魔力
人脈、仲間、友達。人生にかけがえのないものばかりだ。どうやって見つければいいのか。『人生が思い通りになる出会いの魔力』(著・潮凪洋介、1404円、ビジネス社)は、魅力的な人と出会うためのノウハウを教えてくれる。
著者は過去にストレスから暴飲暴食に走り、健康を害した。そんなとき、夜の街に繰り出し、素晴らしい人と出会った。おかげでストレスが解消し、新しい友人も広がり、仕事もうまくいった。その体験から素晴らしい人と素晴らしい人脈を得ることこそが人生を切り開くための大切なことだと悟った。
エッセイスト、イベントプロデューサーとして50冊、累計150万部のベストセラーを出し、大人の社交場やクリエーターの交流のためのハウス、自由人生塾や著者養成学校など出会いの場を運営している。
別れのもつれた感情を洗い流す
スピリチュアル・パーゲイション(浄化)出会いの奇跡・別れの軌跡
なぜこの人と出会ったのか、なぜあの人と別れたのか。結婚を続けたほうがいいのか、それとも離婚したほうがいいのか。人生において誰でも迷い悩むことがある。
『スピリチュアル・パーゲイション(浄化)出会いの奇跡・別れの軌跡』(著・江原啓之、1296円、徳間書店)は、そんな出会いと別れのもつれた感情を洗い流して、新しい人生に進んでいく方法を手ほどきしてくれる。
各章ともキーワードは「別れ」だ。「心に『別れ』がよぎるとき」から「『別れ』未満で迷っているあなたに必要なこと」「『別れ』に大きく傾いたとき」「『別れ』の作法」と解説し、幸せを呼ぶ「別れ」と幸不幸の分岐点を示す。
著者はスピリチュアリストで、一般財団法人日本スピリチュアリズム協会代表理事だ。オペラ歌手としても活躍している。
出会いと別れの中で成長していく
「また、必ず会おう」と誰もが言った。
主人公の和也は熊本県の17歳の高校生。ひょんなことから小さなウソが原因で、ディズニーランドへ行く羽目になる。だが、不運が重なり、最終便の飛行機に乗り遅れた。途方に暮れる和也に「おい!若者」と声をかけたのは土産物売り場のおばさんだった。
小説『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』(著・喜多川泰、1512円、サンマーク出版)は1人の少年が旅を通じて、様々な人たちと出会い、日常の中で触れ合いながら「生きる力」を学ぶ。予定通りにいかない連続。愛すべき人たちとの出会いと別れ。その繰り返しの中で成長していく。中学生や高校生だけでなく、大人たちもかつての日々を懐かしく思い出すだろう。
古厩智之監督、佐野岳主演で2013年に映画化され話題になった。映画は「またかな」の略称で知られる。