独特すぎる!?タッチで話題 「エクセルで作ったLINEスタンプ」に込められた72歳おじいちゃんの想い
日常の連絡やコミュニケーションのツールとして市民権を得て久しい「LINE」。特に簡単に気持ちを伝える手段として「スタンプ」を利用している人は多いだろう。
そんなLINEのスタンプの中、一風変わったものが今にわかに人気を集めている。「72歳のおじいちゃん」が作った、「独特すぎる」タッチのスタンプだ。
「まずいよ脱脂粉乳 たのしい給食」
件のスタンプが話題になったきっかけは、あるツイッターユーザーが2016年1月2日に投稿したこんなツイートだった。
「72歳のおじいちゃんがつくったスタンプ熱い」
ツイートには、「まずいよ脱脂粉乳 たのしい給食」「酸欠だ換気いそげ 助けて!!」といった言葉が描かれた、なかなか独特なタッチのスタンプの画像が添付されている。
これが3万リツイート近く(16年1月11日現在)を数えるほどの騒ぎに。「これめっちゃほしくなりますね(笑)」「ユニークですね!」などと反応が投稿されている。
同じユーザーが、このスタンプを販売しているのが「Seiji Tazawa」を名乗るクリエイターだと紹介していることもあり、「面白すぎ!他も購入してしまった~」と、実際に買ったという声も寄せられている。
日本マイクロソフトからも問い合わせが
ネット界隈でにわかに注目を集める、「Seiji Tazawa」こと田澤誠司氏に、直接話を聞くことができた。
1943年6月18日生まれ、御年72歳の田澤氏。スタンプの独特なタッチは、イラスト用ソフトではなく、何と表計算ソフト「Microsoft Excel」から生み出されている。
16年1月2日の夕方、スタンプの売り上げ推移を確認すると、前日から大きく伸びていたという。やはり拡散されているツイートが人気に火をつけたようだ。
田澤氏は元々、工事現場で使う注意喚起や安全教育資料用にイラストを描いていたという。Excelを使っている理由は、イラスト用ソフトと比べ誰でも加工ができ、田澤氏のイラストを用いてオリジナルの書類が作成できるということから、メリットが大きいと感じているからだそう。やはりExcelを使ってイラストを描いていることへの反響が大きく、「日本マイクロソフト社からも問い合わせありました」とのことだ。
今後は「社会に貢献できる作品」が登場!?
自身のイラストをLINEのスタンプにしたきっかけは、「長年勤めた会社を71歳で退職しましたが、日常生活に穴があいた日々が半年続いた時、孫娘に勧められて」。
田澤氏のスタンプは「工事現場で働く『安全一郎君』の安全管理」をはじめ、「工事現場の無災害のための、安全管理実践版」「工事現場の安全促進スタンプです!」と、やはり工事現場にまつわるものが目立つが、これには
「少子化が進む中で、若者の労働力が低下していくことは確か。地方から都会へ出て行ったり、職種の選択肢にあがらなかったりということから、若者の工事現場への定着も懸念しています。また、利益・工期を優先する施工管理は安全推進に支障をきたすと思い、対話型LINEスタンプで管理職と作業員がコミュニケーションを図ることを期待しました」
という思いがあったそうだ。
スタンプは、LINE クリエイターズスタンプで、1セット50コイン(120円)で販売中。気になる新作の発売予定をたずねると、「72歳のおじいさんが世間様をお騒がせしましたので、今後は社会に貢献できる作品に『飽くなき挑戦』を考えます」と含みをもたせた。
田澤氏のイラストやLINEスタンプ、またプロフィールなどは、本人サイトで詳しく紹介されている。ツイッターアカウントでも、販売中のLINEスタンプの情報などを確認できる。田澤氏の「飽くなき挑戦」に今後も要注目だ。