「肉親の骨をゆうパックで寺に送るな!」 専門誌「月刊住職」の攻めっぷりが話題
「月刊住職」なる専門誌を知っているだろうか。出版社「興山舎」(東京・港区)が発行する、名前の通り住職・寺族のための情報誌だ。
仏教関係者でなければ関わることがなさそうな専門誌...と思いきや、今この「月刊住職」が、ネット上でじわじわ話題になっている。何でも、「記事の見出しがインパクトありすぎる」らしいのだ。
「最強の見出し」ツイッターで多数拡散
話題になっているのは、2015年12月6日付(東京・大阪・名古屋)の朝日新聞に掲載された「月刊住職」15年12月号(12月1日発売)の広告だ。
掲載されている記事の見出しがズラリと並ぶ中、一際目を引く17文字が。
「肉親の骨をゆうパックで寺に送るな!」
この広告を撮影した写真がツイッターに投稿され、多数拡散される騒ぎに。
「読みたくなる最強の見出しだな。。。」
「...すげー世界だな。知らない世界」
「って、ゆうか、月刊住職ってなにwww」
など、見出しへの興味や好奇心、また「月刊住職」なる専門誌が存在していることへの驚きなどが投稿されている。
実際に記事を読んでみた
気になる記事の内容を確認すべく、「月刊住職」12月号を興山舎の公式サイトから注文し、入手した。ちなみにサイトでは同誌について、「仏教界ならびに全宗派すべての住職・寺族のための最も信頼できる実用実務月刊報道誌」として、
「マスコミの仏教に対する無知偏見、過剰な寺院批判、宗教への偏見はもとより、行政官庁の宗教無理解を追及し、仏教界ならびに寺院の論理、住職・僧侶・寺族の立場を貫きます」
などと説明されている。
さて、話題の記事の本当の見出しは「肉親の遺骨を寺にまさかゆうパックで送り付ける『送骨』の実態」というもの。
今、遺骨を郵送で受け付け供養する「送骨」なるサービスを行う寺や霊園があるとして、「肉親などの遺骨を荷物のように郵便局に託して、数万円で『あとはお任せ』ということか。もし、そうなら、『ゆうパック』を使った体のいい"遺棄"にも感じられる」と痛烈に批判。さらにそれを「流行している」という風に報じたマスコミを「大袈裟で無責任マスコミ公害」と過激な口調で攻めている。
実際に「送骨」のサービスを行っている寺と霊園から、一人暮らしの人や高齢夫婦の生前予約などでニーズがあるという話も紹介した上で、やはり「どんな事情があるにせよ、かけがえのない肉親の遺骨(なきがら)を『郵便』というまったくの赤の他人にまかせることができる人間の心情にきわめて空虚なものを感じるではないか」と批判的に論じている。
他にも、「フォトマンダラ」というコーナーでサンタクロースが座禅をしている写真が掲載されていたり、「寺院不動産管理で必ず交渉に勝つための方法を裁判に学ぶ」「寺院も公営霊園も盛んに宣伝している『樹木葬』に将来性はあるのか」などなど、知られざる住職・寺族の実態が書かれた記事が多数収録されている。
興山舎公式サイトでは1冊1404円(税込み)で、年間購読(12冊)は1万5000円(送料・税込)で販売されている。