東京タワーにカラクリ仕掛けの巨大募金箱登場 あなたの100円が次のノーベル賞を創り出す
バイエルホールディング(東京都千代田区)は、日本にイノベーション(技術革新)のための募金文化を広めるイベント「バイエルイノベーション寄付BOX あなたの100円が末来の発明王を育てる」を、2015年12月13日まで東京タワー(東京都港区芝公園)で開催中だ。会場にはイノベーションの歴史を紹介する仕組みを備えたカラクリ仕掛けの体験型巨大募金箱「バイエルイノベーション寄付BOX(ボックス)」が設置され"技術革新"を身近に感じられる。9日には、募金箱のお披露目イベントが催され、テレビ番組などで話題を呼んだ「マツコロイド」を手掛けた大阪大学のロボット工学者・石黒浩教授らが、イノベーション推進の重要性を訴えた。
日本にイノベーションへの募金の文化を広めたいとバイエルが開催
寄付BOXは全長3.6m、高さ2.1mのパネル型貯金箱で、東京タワーフットタウン2階の特設会場に設置されている。
「1863年 電話機の発明」「1903年 ライト兄弟初飛行」といったおなじみの技術革新や「1899年 アスピリン商標登録」といった、1863年創業のバイエルの業績を説明する大小のパネルが時系列順に並んでいる。100円玉などの硬貨を入れると青い球が転がり、パネルの後ろを通るとその出来事にちなんだ効果音やギミックが飛び出す仕掛けだ。ボールを目で追いかけながら、イノベーションの歴史、バイエルの歩みが分かる。
集まったお金は発明協会(東京都港区)が展開する「青少年創造性開発育成事業」に寄付され、全国で開催される「少年少女発明クラブ」の運営補助などに充てられる。
寄付BOX開発の背景には、「日本にイノベーションのための募金を広めたい」という思いがある。日本では国から補助を受けてイノベーションの予算を捻出するのが一般的だ。ヨーロッパなどでは財力のあるパトロンが「未来の技術への投資」という形で研究者に資金を提供する文化があるが、日本ではあまり浸透していない。
「日本のイノベーションを代表するロボット工学者」として、お披露目イベントに招かれ石黒教授は今後のイノベーションについて
「全部が成功するとは限らないので成果を約束するのはなかなか難しい。もちろん国の支えは大切ですが、国の研究費だけでは賄えないチャレンジもたくさんあります。だからこそ、これからは社会全体でイノベーションの挑戦を支えるようになればいいなと思います」
と語った。