現代人の「もの忘れ」は食生活の乱れも一因か 不足しがちな栄養素補う『発芽米』
慌ただしい年末はもの忘れが多くなりがちだ。一説によると、現代人が1日に受け取る情報量は江戸時代の日本人の一生分に相当するといわれる。覚えるべきことが増えているのだから、記憶があいまいになるのは仕方ない――。そう考える人もいるだろう。しかし現代人のもの忘れは、食生活の乱れやストレスに原因がある。
脳のエネルギー源は炭水化物。1960年代までの平均的な日本人の食事は、穀物やイモなどの炭水化物が多く脂質が少ないバランスだった。さらに青魚を通じてDHAやEPAなど脳の働きをよくする栄養素も摂取できていた。ところが近年の食の欧米化によって、これらの栄養素の摂取量が減っている。
食の欧米化でインスタント食品やファストフード利用が増加
「私は『炭水化物』を食べてキレイにやせました。」などの著書があり、料理や食生活に関するテレビ番組への出演も多い管理栄養士の柴田真希さんは、食の欧米化が著しいことに言及したうえ、インスタント食品やファストフードの利用が増え食生活が偏る傾向にあると指摘する。
柴田さんは、不足しがちな栄養を補う食べ物として「発芽玄米」(発芽米ともいう)をすすめる。その理由として、炭水化物はもちろんのこと、脳にとって好ましい栄養素を多く含んでいることを挙げる。
「(発芽玄米は) GABA(ギャバ)が多く含まれているので有効です。血圧と神経の調整作用をするGABAは脳内の血流を良くし、酸素供給量を増やしたり、脳細胞の代謝機能を高める働きがあります。ゆえに、脳細胞の活性化のほか、血栓症・高血圧・肝臓・腎臓の機能改善・肥満防止などの効果があると言われています。また、白米に比べてよくかむことができるので、かむことで脳の活性化にもつながります」
玄米は「完全食」と呼ばれるほど豊富な栄養を含む。それを少しだけ発芽させた発芽玄米は、白米の約10倍のGABAやビタミンEを含む。栄養や甘み成分、うまみ成分が増えている。硬さが減って炊きやすく、米食の習慣のない人もとっつきやすい。
もの忘れを防止するなら、十分な睡眠、体力づくり、ストレスをためない心がけなどももちろん重要だ。しかし食はすべての基礎となる。最近忘れっぽくなったな、という人は、毎日の食事に発芽玄米を取り入れることも対策の一つになりそうだ。
発芽玄米は食べやすくて、しかも栄養価が高い