ツイッターで話題をよびヒットとなった「い・ろ・は・す もも」 キャンペーン成功の舞台裏

   コカ・コーラシステムから2015年10月6日、新しい清涼飲料水「い・ろ・は・す もも」が発売された。日本の天然水の「い・ろ・は・す」に、山梨県産のももエキスを加えたフレーバーウォーター。俳優の阿部寛さんと女性たちが、「ももっ、もも!」と口ずさむテレビCMもよく見かける。

   実はこの「い・ろ・は・す もも」、テレビだけではなく、ツイッターなどのソーシャルメディアでも、大きな話題を呼んだことで、発売20日で1500万本を突破するなど、ヒットへ繋がっている。ネットユーザーの間で話題となったキャンペーンの裏側について、日本コカ・コーラ の銭高明さん(マーケティング本部)と、渡辺幸恵さん(iMarketing)に話を聞いた。

右から銭高明さん(マーケティング本部)と、渡辺幸恵さん(iMarketing)
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「ぶどう」「もも」「なし」「うめ」からフレーバー予想

   そもそもなぜ、今回「い・ろ・は・す もも」は、ソーシャル展開を行ったのか。銭高さんは「一度飲んで頂ければ、長くご愛飲頂ける自信はありました」としながら、発売前に消費者へ「期待感」や「登場感」を伝えられればと考え、双方向性のあるソーシャルメディアを活用したと説明する。

   ソーシャルの活用は、まず新商品のフレーバー予想から始まった。「い・ろ・は・す」公式ツイッターアカウントは8月18日、「ぶどう」「もも」「なし」「うめ」の4択から、次のフレーバーを予想して投稿するクイズを実施し、1万人以上の消費者を引き付けた。

   8月25日にプレスリリースを出してからは、「#ももも出ますいろはすから」とハッシュタグを付けてリツイートするキャンペーン。参加者のなかから抽選で発売前の新商品が届くという特典をつけることで、告知ツイートは13.6万リツイートに達した。これは国内の企業アカウントとしては、ツイッターのトレンド欄の最上部に表示される広告「プロモトレンド」経由で最高記録の数値だという。

auと「パッカーン」コラボも

   サンプリングは、桃を模したかわいらしいデザインの箱に梱包して、発売6日前に当選者へ発送した。6万件の応募から1100人が当選し、うち半数にあたる554人がツイッターなどで到着報告をしたという。

「見た目にもインパクトのあるパッケージにしたことで、多くの人がツイッターで拡散してくれました。なかには、お子さんが学校へ行っていて、お母さんがLINEで『あんたに桃、届いてるわよ』といった連絡がきたとか、当選者の驚きや喜びのご報告がたくさんありました」(渡辺さん)

   テレビCMでの「桃ちゃん(桃太郎)」の決めゼリフ「パッカーン!」が話題になったau(KDDI)にもサンプリングを送付し、ツイッター告知をしてもらうなど、消費者や企業を巻き込んで、発売までの雰囲気を醸成した。

   「い・ろ・は・す」によるソーシャルプロモーションは、今回が初めてではない。たとえば15年8月1日の水の日には、187人のインスタグラマー(インスタグラムのユーザー)を集めて、水の「一瞬の美しさ」を写真に収めるイベント「い・ろ・は・すMeet」を開催した。

   銭高さんによると、プロモーションを「自分事」化してもらううえで、デジタルは親和性が高いという。最後に今後の展開について聞くと、「い・ろ・は・すブランド全体の共通概念として、『遊び心あるイノベーション』があります。そういった軸で、新しいものを出していこうと思っています」と意気込んだ。

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