カップ麺市場にひさびさ「革新的商品」登場 ついに「マルちゃん正麺」カップで発売
東洋水産は2015年10月5日、「マルちゃん正麺 カップ」3商品を発売する。これまで袋麺ブランドとして知られた「マルちゃん正麺(せいめん)」から初登場するカップ入り商品。9月30日に東京都内で、それらの発表会が開催された。
カップ麺が誕生したのは1971年。76年にはカップ入りノンフライ麺が登場。今回の「マルちゃん正麺 カップ」誕生は、カップ麺市場には待望久しい「革新的商品」と呼べるかもしれない。
4年の開発期間を経て誕生
新製品発表会の様子
「マルちゃん正麺」は、生麺をそのまま乾燥させる「生麺うまいまま製法」が特徴的な商品。生麺本来の味と、なめらかでコシのある食感を実現したことにより、2011年の発売直後には、袋麺市場に「マルちゃんショック」を起こした革新的商品だ。
その人気から、以前より期待されていたカップ化が、満を持して実現することになる。商品開発に4年をかけ、東洋水産は新たに「生麺ゆでてうまいまま製法」の開発に成功した。これは、一度ゆでた麺を独自技術で乾燥させる特許製法。お湯を注ぐだけで、なめらかさと弾力ある食感を楽しめるほか、「伸びにくさ」や、箸で持ち上げた時の「重量感」も特徴だ。
常務取締役の沖斉(おき・ひとし)氏
同社常務取締役の沖斉(おき・ひとし)氏は、
「マルちゃん正麺のような新しい品質価値を、カップ麺でも実現したいとの強い思いで、2012年から開発に着手した。『即席麺で済まそう』ではなく、『即席麺を楽しもう』と思っていただきたい」
と語り、「マルちゃん正麺 カップ」で、停滞するカップ麺市場を起爆剤にとの思いをにじませた。
製品について語る中山清志氏
同社の中山清志氏(加工食品事業本部 執行役員本部長)は、「生麺ゆでてうまいまま製法」について説明。これまでのカップ麺では、麺を乾燥させる前に、「蒸す」工程がある。しかし、新たな特許製法では、蒸す代わりに「ゆでる」ことにより、従来以上に生麺に近い食感を実現した。
「お客様の食生活をより便利に豊かに、そして新しい品質価値で、食文化の創造につとめてまいりたい。『すべては、笑顔のために』の弊社スローガンのもと、これからもお客様に笑顔を届け続けたい」(中山氏)
実際に食べてみた
新発売の「マルちゃん正麺 カップ」は、全国販売される「芳醇こく醤油」と「香味まろ味噌」、関西以西で販売の「濃厚とろ豚骨」の3種。「醤油」と「味噌」は透明感のある麺だが、「豚骨」は白く少し細めの麺を使用している。
記者はこれをさっそく試食。「醤油」に熱湯を入れて5分、ふたを開けると少し黄色みのある、ぷりぷりとした麺があらわれた。口に運びかんでみると強いコシを感じる。ほかのカップ麺の場合、コシと思った食感が実は、かたい芯が残ってる場合が多い。「マルちゃん正麺 カップ」では、麺を噛み切っても、ちゃんと芯まで湯もどしできているとわかる。
事前の消費者調査では、「インスタントカップ麺にはない『新しい食感』だと感じたか?」との問いに、「とても感じた」(52.8%)と「やや感じた」(35.2%)をあわせて、9割近くが「新しい食感」だと回答している。この結果も納得の味わいだった。
スープや具材にも抜かりはない。「醤油」は、鶏ガラと豚ガラを自社工場で煮込んだだしに、たまり醤油と濃い口しょうゆをあわせた自家製スープ。大ぶりの豚バラチャーシューやメンマ、のりなど、カップ麺に欠かせない具材がそろっている。
「醤油」と「味噌」は全国発売だが、「豚骨」は関西と中四国、九州、沖縄限定。希望小売価格は、いずれも205円(税抜)。
<企画編集:J-CASTトレンド編集部>