知育玩具にもデジタル化の波 アプリやゲームで「おべんきょう」する時代へ

   近ごろ、「遊びながら学ぶ」ための知育ゲームが、注目を集めている。これまでは「知育玩具」とよばれる、教材的な役割を果たす"おもちゃ"が中心だったが、スマートフォンやタブレット端末などの普及によって、知育分野にもデジタル化の波がやってきている。

PlayStation4で「マインクラフト」をプレイする子供たち
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「直感的」がポイント

   たとえば、学習塾などを展開するワオ・コーポレーションの「ワオっち!」シリーズ。言葉が十分に理解できない幼児向けに、文字や説明を配した「直感的」なインターフェイスを採用している。また、幼児期に必要な「5つの力」(知力・感性・表現・自律・就学基礎)を楽しく育むような仕掛けが施されている。

   スマホ向け知育アプリには、ソフトバンクグループのBBソフトサービスによる「ひとりでできたよ!ミラクルぽんっ!」もある。「ひとりでできること」をコンセプトに作られたジグソーパズルアプリで、これも文字に頼らない画面デザインを採用。モチベーションを保つための「ごほうびイベント」を設置するなどの工夫が行われている。

   スマートフォンだけでなく、テレビゲーム機でも「知育」を楽しめるのが「マインクラフト」だ。スウェーデンのベンチャー企業「mojang AB(モージャン)」が開発したゲームで、14年からはPlayStation(プレイステーション)版も販売されている。

「マインクラフト」の認知度が上がる

   「マインクラフト」は、立方体で表現された「地形」や「資材」などを組み合わせ、建築物やアイテムを作れるゲーム。「ゲームクリア」を目的としたものではないため、自分のペースで遊べることが特徴だ。また、ネットワークなどにつなげば、「仲間と一緒に遊ぶ」楽しみもできる。

   大人でも楽しめるゲームだが、14年夏ごろから小学生中心に人気が出はじめた。1994年から毎年、小学館グループ主催で夏と年末及び年始に行われている「次世代ワールドホビーフェア」の会場で15年に実施されたアンケート調査によると、同級生で「マイクラ」をやっている友人がいる小学生は、1月~2月の開催時には70%だったが、6月には84%まで高まった。

   8月には早稲田大学で、教育イベント「Minecraft × Education 2015~こどもとおとなのためのMinecraft~」を開催。登壇した教育ITライターの神谷加代さんは、母親の立場から、

「マインクラフトは、作るという要素とか、総合教養とか相互発信みたいな今の時代にマッチした感覚が詰まってると思います。それを家庭の中で評価して子供たちと一緒に楽しみたい」

などとコメントした。

   いろいろと手を動かして考える知育玩具も良いが、ゲーム機やコンピューター・スマートフォンとともに育った「デジタルネイティブ」世代には、画面越しに「おべんきょう」する方があっているのかもしれない。

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