外国人が好きな「美しい日本」 知られざる114の楽園

   来年(2016年)の8月11日は祝日となる。山に親しみ、山に感謝する日だ。山といえば、誰でも知っている「日本一の富士山」。だが、富士山のことばかりではない。最近、日本人よりも日本に詳しい外国人が増えている。日本人に日本の素晴らしさを教える本も出てきた。これを機に、日本の自然と美しさについて考えてみる。

   J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ」でも特集記事を公開中。

日本人の知らない美しい日本の見つけ方
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日本人が気づかない日常の光景

   これが日本の景色なのか。息を飲むような美しい風景が写し出されている。有名な観光地ではない。ふだんは気づかなかった「山」や「海」や「都会」や「下町の人々」...。改めて日本の良さと美しさが伝わってくる。

   『日本人の知らない美しい日本の見つけ方』(著・デイモン・ベイ、994円、サンマーク出版)は、ニュージーランド出身の写真家、デイモン・ベイ氏が自分の目で見つけた「美しい日本」のフォトエッセイだ。

   高校の交換留学生として初めて日本を訪れ、帰国後は大学で日本語を専攻し、日本と行き来して一時は大阪に過ごした。今は千葉県市原市で高校教師として房総の美しい自然を撮影している。

小笠原諸島から南鹿児島の島々

   海に囲まれた日本には有人・無人島を含め大小約6800の島がある。そのうち人が住んでいるのは400前後。食べ物、動物、植物、人々の暮らし...本土とは異なる独自の文化が息づいている。楽園を求めてか、ここ数年、「島ガール」が増えているとか。

   『原色 ニッポン《南の島》大図鑑』(著・加藤庸二、2376円、CCCメディアハウス)は、世界遺産に登録された小笠原諸島からトカラ、奄美、大東、宮古、八重山まで114島を網羅し、日本最東端の南鳥島、最南端の沖ノ鳥島、さらに尖閣諸島も写真付きで紹介している。

   著者の加藤庸二氏は島に関するスペシャリスト。学生時代からダイビングをしながら海や島の写真を撮り歩き、現在は自然環境に広げ様々な活動を展開している。『原色 日本島図鑑』も好評だ。

自然を忘れた人間の傲慢さ

   猛暑とみれば、突風やゲリラ豪雨が襲いかかる。土石流や洪水、大地震や火山噴火、津波や山火事。このところ、世界的な自然災害が頻発している。自然は人類を育む母だが、牙をむくこともある。

「文明が展開すると、人間は自然の世界を時に忘れた。20世紀の末、人間の傲慢さがさまざまな災害をもたらしたとき、自然を再び自覚した」

   『環境歴史学とはなにか』(著・飯沼賢司、864円、山川出版社)はこのように語り、いまこそ、自然と人間の関係の「環境歴史学」が必要だと訴える。「新しい歴史学としての環境歴史学」をもとに、具体的な調査・研究を例に環境歴史学の可能性を論じる。じっくりと向き合う専門的な書だ

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