少子高齢化解消に立ちはだかる「2人目の壁」

   一般財団法人1more Baby応援団(森まさこ理事長、東京都港区)は2015年5月28日、「夫婦の出産意識調査2015」の結果を発表した。同調査は、日本から少子化問題をなくしたいという想いのもと13年から開始。今年で3回目となる。

2人目の壁の存在を感じるか
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産みたくても産めない

   それによると、既婚男女の79.6%が「子どもを2人以上欲しい」と回答。しかし、厚生労働省が発表している「人口動態統計」などによると、14年時点の日本人の出生率は1.43で、人口維持に必要と言われているな2.07を大きく下回っている。

   同団体では、数字が示している理想と現実との間の大きな差の原因について「必要となる生活費や教育費に関連した家計の見通しや、仕事等の環境、年齢等を考慮し、第2子以降の出産をためらう」理由があると分析し、これを「2人目の壁」と名付けた。

   今回の調査でも『2人目の壁』について、75%の人が存在すると回答。具体的には、「経済的な事情」、「1人で手一杯」、「年齢的な事情」といったものが上位に挙がっている。

2人目の壁を乗り越えるには

   「2人目の壁」を解消するために必要だと感じることは、「経済的なサポート」(81.9%)が最多。しかし、仕事を持つ女性では「ワークライフバランス」(64.4%)、「休職・復職のしやすさ」(61.0%)を必要と感じる人が多く、専業主婦では「育児ストレスを解消できるような仕組み・コミュニティー」(47.1%)、「産後ケア・サポートの充実」(43.7%)が上位にくるなど、就業状況により解消に必要な課題に違いがあることがわかった。

   子育て費用を軽減してくれる制度上のサポートに加え、自分や家族が働き続けられる環境づくりが少子化対策のポイントになりそうだ。

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