格安スマホ群雄割拠で「老舗の安心感」際立つ 購入予定なしの5割「今の方が安心」
モバイル関連の調査や研究を行っている「MMD研究所」は2015年3月、「格安スマホに関する意識調査」を実施した。スマートフォンか、ガラケーと呼ばれる従来型のフィーチャーフォンを所有する16歳以上の男女1670人を対象にしている。
ここ最近、SIMフリー端末やMVNO(仮想移動体通信事業者)サービスの普及によって、月々の基本使用料が安くなる「格安スマホ」が人気を集めているが、調査結果は、消費者が単なる料金比較だけで携帯電話を選択しているのではないことを示している。
購入予定者の半数が「通信速度」重視
「格安スマホ」を知っているかどうかを聞くと、約9割が「(名前は)知っている」と回答。認知度は高いといえるが「詳しく説明ができる」のは、そのうち20.1%にすぎず、それ以外は、名前は知っていても詳細な説明ができないか、そもそも内容を知らないと答えている。
格安スマホを利用していない人(906人)のうち、36.8%に利用意向があると判明。しかし、2015年内の購入予定となるとは11.9%にすぎず、64.9%は、「今のところ購入予定はない」と回答した。また格安スマホ未利用者かつ購入予定のない266人に「購入したいと思わない理由」(複数回答)を聞くと、56.8%が「今の携帯電話会社の方が安心だから」と回答している。
一方で、購入予定者(318人)の「購入時に重視する点」(複数回答)では、「月額料金の安さ」(90.3%)が圧倒的に支持されている。また「通信速度の速さ(LTE対応の有無)」も5割以上が回答していて、格安スマホには価格だけでなく「速度」も重視されているとわかった。
調査結果からは、安価で利用できる「格安スマホ」を支持する声もあれば、サービス品質などの面から「従来キャリア」の方が安心して使えるという声もあり、双方からの消費者意識が読み取れる。