【素朴な疑問】「肉汁」ってなんて読む? 「ニクジュー」派VS「ニクジル」派の仁義なきバトル

「口の中にジュワッと溢れる肉汁...」「ナイフを入れるとほどばしる肉汁...」――グルメ番組や料理番組ではお馴染みの表現だ。

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しかし、肉汁を「ニクジュー」と読むか、「ニクジル」と読むか、思わず迷ってしまう人も多いのでは。パソコンではどちらもすぐ「肉汁」と変換されるはずだ。


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インターネット上でもこれまで散々議論されてきたこのトピック、NHK放送文化研究所が2005年にこんな発表を出していた。

「NHKが2000年11月に行った『ことばのゆれ調査』でも、『肉汁』を『ニクジル』と読むと答えた人が7割を超えました(71%)。このような調査結果を受けて、翌2001年2月に開いた放送用語委員会で審議した結果、『肉汁』の読みについて、これまで[ニクジュー]のみを認めていたものを、[1.ニクジュー 2.ニクジル]と決め、『ニクジル』についても認めることになりました。このように用語委員会の決定で、『第1――』『第2――』と示す場合、一般に放送では『第1――』の語形をまず推奨するものです。このため、放送の現場では、なるべく伝統的な『ニクジュー』という言い方・読み方をするようにしています」

そして「放送では、なるべく伝統的な言い方である『ニクジュー』を使うようにしています」と明記してある。

確かに、「肉汁」は大抵の国語辞典に「ニクジュー」の読みで登録されている(一部は「『にくじる』とも」などの注意書きあり)。

日本最大規模の国語辞典「日本国語大辞典」(小学館 通称「日国」)にも

(1)鳥獣の肉を煮出してつくった汁。また、肉を入れた汁。肉羹(にっこう)。
(2)「にくしょう(肉漿)」に同じ。
(3)肉を焼くときにしみ出る液汁。

とあるものの、「ニクジル」という読みはどこにも書いていない。

NHK放送文化研究所によると、「ニクジル」は、「肉厚(にくあつ)」「肉色(にくいろ)」「肉太(にくぶと)」「肉細(にくぼそ)」などの重箱読み(音+訓読み)に引きずられて定着した可能性が高いという。

どちらで読んでも構わないが、基本的に「ニクジュー」が正しいというのが現在の認識だろう。

ハンバーグを切ったときには「うわぁ~『ニクジュー』の量ハンパないね!」ってちゃんと言わなきゃダメだぞ!

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