「家族うがい」がインフルエンザから受験生を守る 「ビリギャル」著者「常識としてやって」
受験シーズンを目前に控え、「新習慣『家族うがい』でインフルエンザから受験生を守る」をテーマとしたセミナーが2014年12月11日、都内で開かれた。
「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶応大学に現役合格した話」の著者で、学習塾、坪田塾の坪田信貴塾長と、国立国際医療研究センター病院国際感染症センターの金川修造トラベルクリニック医長が登壇した。
家族全体で協力を
坪田塾長は「合格に導く家族のサポート」という内容で講演。これまでに1300人以上の子どもを個別指導してきた経験上、入塾前の面談に来るのは母と子という組み合わせが90%以上を占めるが、父もそろって面談に来た場合、志望校への合格率がほぼ100%だという。
「良いか悪いかは別として子育ては妻に任せているというお父様だと、受験に関する方針を決める意思統一の輪の中にいなくて、後になってから『これはおかしいんじゃないか』と言い始めて、『船頭多くして船山に上る』状態になります」
センター試験の時期は雪が降り、湿度も低くて喉がやられることが多く、坪田塾では生活面については手洗いやうがい、マスクを着用するように指導をしているが、試験直前に「マスクをしても意味がない」などと口を挟まれると、子どもはどちらに従ったら良いかわからず精神的に不安定になるという。
「家族全体で協力的に同じ方向性で、手洗い、うがい、マスク着用、早寝早起き、というのを常識としてやっていってほしい。同じ意識でやっていくことで、子どもの生活満足度も上がり、メンタル的にも豊かな状態で試験に臨めます」
ポビドンヨードで細菌・ウイルスを減らす
金川医長は感染症対策としてのうがいの効果と、家族でうがいをする重要性を語った。インフルエンザなどの感染症予防対策としては、感染源対策と感染経路対策、抵抗力の3つがあり、そのうち個人でできることのひとつが感染経路対策で、その具体的な内容が、手洗い、うがい、マスクだという。
うがいの効果として金川医長は、(1)口の中に付いたものを洗い流す(2)加湿することで乾燥による感染をしにくくする(3)口腔衛生を保つ(4)痰を出しやすくする―の4点を挙げた。うがいをすることで、口腔内の菌やウイルスを抑えることになり、飛沫する菌やウイルスを減らすことが期待できる。そのため、周りの人にうつさないという意識を持ってうがいをすることが大切。受験生のいる家庭では、家族全員で家族みんなにうつさないという意識を持って「家族うがい」を習慣化することが重要。
うがい薬の中で特にウイルスの力を抑えるのがポビドンヨードで、これは手術の時に体の消毒するのにも使われる。口やのどなど粘膜に使用できるものの中で最も細菌やウイルスを減少させる効果があるという研究結果もあるという。
「うがい薬でのうがいで菌の量をできるだけ減らしましょう。周りに飛び散った菌からの感染を防ぎましょう。なるべくウイルスや細菌を持ちこまないよう家族全員で意識をしましょう、ということです」