日本の職場の多様性推進、環境整備で世界に遅れ 「ランスタッド・ワークモニター」労働意識調査

   世界最大級の総合人材サービス企業、ランスタッドホールディング・エヌ・ヴィー(オランダ)は、18~65歳の週24時間以上働く人を対象に、世界33の国と地域で実施する労働者意識調査「ランスタッド・ワークモニター」の2014年第3四半期(7~9月)の結果を発表した。

   今回はチーム・組織の多様性とデジタル環境に焦点を当てて調査した結果、日本が世界と比べて遅れている点が明らかになった。

日本が他国に遅れている
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「実際の取り組みについては現場に任せている」

   「私の経験上、多様性のある組織は、同質的な人材が集まる組織と比べ、より成果を出している」という質問に対して、日本では「はい」と答えた労働者が71%だった。特にアジア圏ではその傾向が強く、中国では94%、インドでは86%という結果に。グローバル平均では73%で、グローバル規模のビジネスで戦うためには、チーム・組織自体が多様性を持つほうが有利であるというのが、世界共通の認識であることがわかった。

   一方で日本は「多様なバックグラウンドを持つ同僚と働くためのトレーニングやツールが提供されている」との回答が40%、「在宅勤務者や別拠点との作業効率を高めるためのトレーニングやツールの 提供」にいたっては35%で、どちらも調査対象33の国と地域中最も低かった。グローバル平均は59%で、アジア平均(中国、香港、インド、マレーシア、シンガポール)は77%と、かなりの差がある。

   この結果からランスタッドでは、「日本では企業・組織が多様性を推奨しながらも、環境整備や研修面で受け入れ態勢が整っていない、もしくは実際の取り組みについては現場に任せている現状が浮き彫りになった」と分析している。

   同社人事本部・本部長の柄沢雅生氏は、

「グローバル競争や、子育て・介護世代の就業維持・復職の観点から、組織内の多様性を推進する傾向にあるが、そのようなチームに焦点を当てた研修や取り組みを行っているのはまだ少数派であり、今回の調査は日本の現状を露呈した結果となった」

とコメントした。

   調査は、ヨーロッパ、アジアパシフィック、アメリカ大陸の33の国と地域を対象に、7月22日~8月5日にオンライン上で実施した。

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