サトウサンペイさん、26日から母校で展覧会 「フジ三太郎」らと昭和を振り返る
漫画家サトウサンペイさんの作家生活を振り返る展覧会が2014年5月26日から8月9日まで、母校の京都工芸繊維大学美術工芸資料館で開かれる。「サトウサンペイの世界――四コマで切り取る昭和」だ。代表作「フジ三太郎」などの原画が公開され、会期中にサンペイさんの講演会もある。
線と色の美しさも見てもらえる展示に
「サトウサンペイの世界」のポスター
サンペイさんは1928年生まれ。大阪で育った。旧制生野中学校(現在の大阪府立生野高等学校)時代は、ほとんどを軍需工場ですごした戦中派だ。その後、京都工芸繊維大学の前身である京都工業専門学校に進み、卒業後、大丸(現在の大丸松坂屋百貨店)に入社。同社の宣伝部に勤めながら四コマ漫画を手がけるようになった。
代表作の「フジ三太郎」は1965年4月1日から朝日新聞で連載がスタート。当初は夕刊で、1979年からは「サザエさん」の跡を継いで朝刊漫画となり合計8168回に及んだ。
J-CASTは2013年、この「フジ三太郎」を電子書籍として復刻刊行。同年4月16日から、J-CASTニュースのトップページに、過去の作品から毎日1点を選び、初出時と同じ月日で公開中だ。読者からはこれまでに「サンペイ先生すごすぎる」「子供のころに見ていたが、今改めて見るともっと面白い」など数千の感想コメントが寄せられている。
今回の展覧会では、「フジ三太郎」を中心に、昭和という時代をサンペイさんの視点で、つまりフジ三太郎の視点で捉え直すのが狙い。ユーモアと風刺、そして茶目っ気とお色気、また時代を先取りするような洞察力、あるいはいつの時代も変わらぬ人々の思いや反骨精神などを多角的に掘り下げ、昭和の庶民像としての「フジ三太郎」を振り返る。同時に、サンペイさんの作品が持つ、線と色の美しさも見てもらえる展示にするという。
サンペイさんの講演会も
サンペイさんには、このほか、「夕日くん」「アサカゼ君」などの代表作がある。また、高齢者の仲間入りをしてからパソコンに挑戦、「パソコンの『パ』の字から」(朝日新聞社刊)などのベストセラーもあり、「フジ三太郎」の電子復刻に際しては自ら電子ペンを使って修整作業に打ち込んだ。
1966年に文藝春秋漫画賞受賞。1991年には都民栄誉賞、1997年には紫綬褒章を受章。現在84歳だが、お元気だ。6月8日には「ユーモアとウィットと風刺」と題してサトウサンペイ記念講演会が15時から17時半の予定で京都工芸繊維大学60周年記念館で開かれる。サンペイさんの講演の後、古山正雄京都工芸繊維大学学長との対談もある。
展覧会は10時から17時(入館は16時30分まで)。 日曜、祝日は休館。ただし、6月8日(日)は開館。入館料は一般200円、大学生150円、高校生以下無料。京都・大学ミュージアム連携所属大学の学生・院生は学生証の提示により無料。
講演会は当日先着順で無料。