IT化でこそ求められる「文章力」 「75のコツ」ですっきり書ける
IT化がすすみ、かえって書く機会が増えた。ビジネス分野では電子メールが普及し、紙の文章でも、正しい書き方で素早くやり取りする文章力が求められる時代だ。
そうした中、2014年4月に刊行された『決定版! すっきり書ける ビジネス文章のコツ75』(定価1000円=税抜、成美堂出版)は、著者の高橋俊一さんが「ビジネスをさらに進めるための必要事項」まとめた1冊だ。
ビジネスの本質を踏まえながら文書作りのポイントをわかりやすく絞り込んだ。
「彼はすごい腕利きの営業マンだ」どう直す?
『決定版! すっきり書ける ビジネス文章のコツ75』(定価1000円=税抜、成美堂出版)
ビジネス文書の決め手を指摘した上で、具体例を挙げながらわかりやすく書くコツ、正確に書くコツ、好印象を与えるコツ、ビジネスメールのコツを解説する。
特徴的なのは、左ページには、「うまく説明できないけれど、どこかおかしい」モヤモヤ文を載せ、右ページに目を移すと、ちょっとしたコツで一変したスッキリ文が登場すること。
たとえば、「あいまいな表現を避ける」コツの項目では、「彼はすごい腕利きの営業マンだ」という例文がモヤモヤ文として挙がっている。「彼は毎年売上トップの営業マンだ」と事実を正確に書くことで、きちんと伝わる文が書ける。他にも、「言葉のダブりをしない」「返信遅れもスマートに処理する」などの75のコツについて、合理的・実践的な上達法を解説している。
巻末には、文章法にはとどまらない「ビジネスをよりスマートにする!究極の6カ条」も。「どんな文書も、あくまで通信手段のひとつ」だとし、「文書万能」「メールで十分」と過信していないか注意するよう説く。
著者は、朝日新聞の社会部記者やデスク、ジャーナリスト学校主任研究員などを歴任。現在は、日本大学などで講師として文章論を教え、フリージャーナリスト・コラムニストとしても活躍している。『すっきり! わかりやすい! 文章が書ける』(すばる舎)、 『決定版! すっきり書ける 文章のコツ80』(定価1155円、成美堂出版)などの著書がある。