年末商戦でコンデジの存在感薄まる スマホとの差別化課題、ミラーレス一眼が主力に

   デジタルカメラ各社からは今月(2013年10月)、新製品の発売や発表が相次いだ。年末商戦に狙いを定めた動きだが、各社が新たに投入するのは高級機の、いわゆるミラーレス一眼タイプがほとんどで、コンデジといわれるコンパクト型は見当たらない。搭載カメラがどんどん高性能化し市場を侵食されているためで、カメラ各社は"スマホにできないことができる製品"の開発やプロモーションに努めている。

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低価格コンデジ市場の縮小はもはや常識


富士フイルムのX-A1
パナソニックのLUMIX DMC-GM1
ソニーのα7

   "秋の新作発表・発売"で先陣を切ったのはオリンパス。9月10日にミラーレス一眼カメラ「OLYMPUS OM-D E-M1」を発表し、ボディーやレンズキット別に10月11日と19日に発売することを告知。同社の一眼レフモデル「E-5」の後継機と位置付け、一眼レフの新製品を開発する計画がないことを明らかにした。

   10月に入り発表・発売ラッシュを迎えた。

   まずニコンが10日に、ミラーレス一眼「Nikon 1 AW1」を発売。レンズ交換式デジタルカメラで世界初(9月9日現在、同社調べ)という、防水・耐衝撃性能を備えた製品だ。31日に受注生産のかたちでブラックモデルも発売する。

   16日にはソニーが、Eマウントを採用するミラーレス一眼の新製品「α7」「α7R」の2機種を発表。ミラーレス一眼では初めてフルサイズの大型CMOSセンサーを搭載したのが特徴で、フルサイズの撮像素子を搭載するミラーレス一眼としては世界最小最軽量だという。

   ソニーはこれとは別に9月に、スマホと専用アプリで連動する"レンズスタイルカメラ"を発表。α2機種は11月25日に、レンズスタイルカメラは10月25日に発売される。

   ニコンの「世界初」、ソニーの「世界最小最軽量」の後を受けて、パナソニックは18日に「レンズ交換式デジカメとして世界最小サイズのボディー」をウリにしたミラーレス一眼「LUMIX DMC-GM1」を発表。薄型化された新ズームレンズとの組み合わせで、コンデジサイズにコンパクト化された。発売は11月21日。

   同日には富士フイルムも「X-A1」「X-E2」のミラーレス一眼2機種と大型撮像素子を搭載して画質を高めた高級コンデジ「XQ1」の計3機種を発表。同社の田中弘志取締役はこの発表会で、低価格コンデジ市場の縮小はもはや常識として、その生産からの撤退を示唆した。

   「X-E2」の発売は11月9日、「X-A1」と「XQ1」は11月23日。

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