パッションフルーツの種子から生まれた「パセノール」 森永製菓が「アンチエイジング機能有する健康素材」開発
森永製菓はパッションフルーツの種子から、「アンチエイジング機能を有する」有効成分を取り出し、濃縮・精製することに成功したと2013年4月24日に発表した。同社はこの健康素材を「パセノール」と命名。パセノール服用による、肌状態や血流、疲労感の変化に関する研究結果を公開した。
シミの素となるメラニン形成を抑制
森永製菓「パセノール」
研究は「森永独自の素材を探す」という課題で2006年からスタート。子ども時代をオーストラリアで過ごした研究員が、思い入れのあるパッションフルーツをテーマに選んだ。当時の学術誌ではパッションフルーツについての研究は多くはなく、1人で実験方法などすべて考えて研究を進め、健康や美容に関する影響を実験で導き出した。
しかし、工業化する際、パッションフルーツ種子の有効成分を壊さずにエキスを抽出することができず難航を極めたが、数十パターンの検討を繰り返してついに成功。製品化にあたってエキスの苦味も課題となったものの、「ウイダーインゼリー」などを過去に手がけたメンバーの助けもあり、飲みやすい味にたどり着いた。
パセノールには、ポリフェノールの一種であるピセアタンノールが多く含まれる。2011年6月に放送されたNHKスペシャルで「長寿遺伝子」を活性化させると紹介された、レスベラトロールと似た構造を持つ成分だ。パセノールの効果を調べるため同社が実施した培養細胞や動物組織の実験によると、肌のシミの素となるメラニン形成を抑制する作用や、肌のケラチン産生細胞でコラーゲン産生の促進、血管を拡張させる働きがあることが分かった。
また、冷えの自覚症状がある19人(40代~60代)を対象に、パセノール2.4グラム含有の錠剤16粒を28日間服用させる実験も行ったところ、動脈血管の弾力性を示す指標が33%向上した。アンケート調査では、手足の冷えや肩こりの自覚症状に改善傾向が見られたほか、疲労感の緩和や肌のしっとり感、すべすべ感、シミとくすみなどの項目についても、優位な改善が見られたという。
同社は、今後もパセノールの機能性研究や応用研究などを進めていく、としている。