偉そうな医者のせいで「免疫ダウン」 「助からない」病院を見抜く法
セクハラ、パワハラに加え、医者が患者に嫌がらせをする「ドクハラ」という言葉も、最近クローズアップされている。がんの専門医と言われている大病院では、患者の病状よりも新薬がどのような効果を上げるかのデータのほうを重視して、これに異を唱えると「もううちには来なくていい」と、ドクハラ(ドクター・ハラスメント)されて、「がん難民」になる患者がけっこういるという。
白衣は権威の象徴だと拒み、「白衣を着ないがんの名医」として知られる帯津良一さんの新刊『かかり続けてはいけない病院 助けてくれる病院』(講談社 2013年2月刊)は、医療の現場から見た病院の問題点や、名医を選ぶ重要なポイント、治療の心構えなどを紹介して、がん患者や周りに患者がいる人にとって、とても役立つ内容になっている。
さしたる確証なく余命宣告する医師も
『かかり続けてはいけない病院 助けてくれる病院』
本書では、気をつけたい医師について、ほかに次のようなケースが紹介されている。
コンピュータの画面ばかり見て、患者に触ろうとしない医師。セカンド・オピニオンを嫌がって患者を見放す医師。さしたる確証もないのに余命宣告する医師。そして抗がん剤に頼って代替療法を軽視する、患者の希望を聞かない偉そうな医師……。こんな医師に出会ったら、がん患者は、免疫も自然治癒力もダウンし、治る病も治らなくなると著者は言う。
一方で著者は、自宅での死を望む人が増えている最近の風潮に対しても、「着替えさせたり、ひげを剃ったり、においのこともあって、看取る家族は大変ですよ」と警鐘を鳴らす。
著者の帯津氏自らは、西洋医学に気功や漢方、ホメオパシーなどの代替療法を取りいれた病院を設立したが、「この医師に看取られたくないと思ったら、病院の替えどき」などの患者の側に立った医師と病院選びの条件には、なるほど納得させられるところが多い。
高齢社会の日本人にとって、病院選びや死の迎え方など、貴重なヒントが得られる1冊になっている。