アナタを待つ「就活の落とし穴」 肩の力抜いて乗り越える方法
電車の中でリクルートスーツの学生をみると、思わず「頑張れよ」と声をかけたくなる。今月1日(2012年12月)から就職活動が本格的にスタートした。実力が大事なことはいうまでもないが、テクニックも無視できない。「内定」に向けて参考にしてほしい3冊を取り上げる。J-CASTニュースの新書籍サイト「BOOKウォッチ」(https://books.j-cast.com/)でも特集記事を公開中。
元就職情報誌の編集長が明かす
『就職活動の新ルール超ルール』
就職活動のルールなんて、誰が決めたのか。パンローリング発売のオーディオブック『就職活動の新ルール超ルール』(著・吉野秀、CD版2625円、刊・エール出版社)は、古臭い常識や思い込みにとらわれないで新しい発想で挑戦を、と呼び掛ける。
はじめに「キミは準備の段階からつまずいている」とショッキングな指摘。続いて「初期には落とし穴がいっぱい」とたたみかけ、「探せば次々に『死角』」が出てくる」と注意を呼び掛ける。そして「いちばん大事な面接を『間違い常識』で失敗するな」と具体的なアドバイス。著者は元就職情報誌の編集長だが、コンサルタントやプランナーとしても活躍。フジテレビのバラエティ番組「笑っていいとも」にレギュラー出演したこともあり、幅広い経験と柔軟な発想で困難を乗り越える新鮮な視点を提供してくれる。
「就職率100%」の理由
『なぜ、国際教養大学で人材は育つのか』
就職超氷河期のいま、就職率100%を誇る大学がある。東北の秋田県の山あいで2004年に開学した国際教養大学。新設の地方の大学がなぜ成功したのか、マスコミからも注目されている。祥伝社黄金文庫の『なぜ、国際教養大学で人材は育つのか』(著・中嶋嶺雄、550円)は、学長である著者がその秘密に答えた1冊だ。
就職率が高いばかりではない。就職先には日本を代表するような企業がずらりと並ぶ。しかも、採用担当者がわざわざ説明会にやってくるというから尋常ではない。背景には、「授業はすべて英語」「少人数教育の徹底」「海外留学」など意欲的な取り組みがあり、就職に必要な本当の力とは何かを教えてくれる。学長は東京外語大の元学長で、現代中国政治の専門家としても知られる。
就カツで落ち込んだときの「応援ソング」
『就職のことをいろいろ考えすぎて面倒くさくなったあなたへ』
不況は日本ばかりではない。アメリカの学生たちも就職難にぶち当たっている。共同通信社発行の『就職のことをいろいろ考えすぎて面倒くさくなったあなたへ』(著・ダニエル・セディッキ、訳・大城光子、1575円)は、就職に失敗した26歳のフリーターが「全米50州で、50週かけ、50の職に挑戦する」というアイデアを思いつき、それを実行する旅を辿ったノンフィクションだ。
ユタ州のモルモン教会の人道支援ボランティアから始まり、カリフォルニア州のワインセラーの管理に行き着く。米国主要紙やニュース番組でも紹介され、数百万人がフォローした。著者はいま各地の大学で講演活動を行うほか、大学生の進路選択に関する授業プログラムを開発しているという。就カツで落ち込んだときに聞きたい「応援ソング」だ。