「もっと早く相談すれば…」半数が後悔 親の「認知症」対応、エーザイ調査
「もっと早く相談すればよかった」――親の認知症の症状に気づいてから、「1年以上経って知人・友人以外の専門家に相談した」人の約半数が、このように後悔していることが、エーザイ・ジャパンがおこなった「認知症に関するインターネット調査」でわかった。調査によると、「認知症は早く対応・治療すれば進行を遅らせることができる」という正確な知識を持っている人は、「認知症を知っている、もしくは聞いたことがある」とした人のうち8割以上にのぼるにも関わらず、「親の認知症」となると、症状に気づいても3割以上が専門家に相談したのが1年以上経ってから、2割以上がまだ相談もしていない。
「認知症地域支援マップ」で相談・治療できる機関を検索
「e-658.Net」内の「認知症地域支援マップ」
また、親が認知症になることで、「経済的な負担」や「毎日の生活ペースが乱れる」ことを7割以上が認識しながらも、自宅での介護を希望する人が4人に3人と多い。一方で、認知症に関する十分な情報が入手できていないとする声も8割近くある。「情報が不十分な結果、認知症の症状を見逃したり、相談する場所を迷ったりし、受診・対応への着手が遅れている」と同社は指摘する。
国ではこうした状況の中、かかりつけ医による認知症対応を推進するなどし、地域ネットワークによる在宅での認知症ケア支援に向け動き出している。
認知症に関する相談や治療に対応するこうした「医療機関」や「地域的包括センター」の情報は、エーザイ・ジャパンが運営する「e-65.Net」(http://www.e-65.net)内の「認知症地域支援マップ」で検索できる。「e-65.Net」は同社による、認知症患者や家族の負担・不安軽減に貢献する取り組みの一環の認知症啓発サイトだ。
認知症介護研究・研修東京センター長の本間昭氏も早めの相談についてこうアドバイスする。
「家族が認知症かもしれないということは、確かに受け入れがたいことですが、少しでも早く受診し判断を受けることが、その後の生活をどのように過ごせるかに影響します」、「まずはかかりつけの先生あるいは地域包括支援センターに相談しましょう。専門医を受診した時には、質問したいことをリストにして説明がなければ積極的に質問しましょう」
調査の対象としたのは65歳以上の親がいる20代以上の男女9400人で、調査期間は2012年8月16日から17日。9月14日、発表された。