「iPhone5」どっちがお得? 「au」VS「SB」、その微妙な「差」とは
auとソフトバンク、結局どっちにすればいいの――2012年9月21日発売されたiPhone(アイフォーン)5をめぐり、そんな悩み節が日本中で上がっている。
話題の「テザリング」を始め、サービス内容、価格ともに一見ほぼ横並び。ソフトバンクの「後だしジャンケン」(孫正義社長)戦略が功を奏した形だ。とはいえ並べてみると、両社の微妙な「差」も見えてくる。
SBの「下取り」割引は4~20か月
両社のiPhone5料金比較。ここに各種割引が入ることとなる
現在ソフトバンクで「4S」以前のアイフォーンを使用しているユーザーが、新たに「5」を契約するケースを例に見てみよう。ちなみに各種割引を利用しない場合、ソフトバンク内で機種変更する場合は、1年間は月々6265円、それ以降は6755円。auへMNP(乗り換え)する場合には、月々5775円となる。
ソフトバンクで「5」を購入する場合、最大のメリットは「スマホ下取りプログラム」だ。アイフォーンの場合4~20か月、月額料金から1000円が割り引かれる。「4G/LTE スマホBB割」を利用すれば、その価格は3785円。
ただしこの下取りについては、警視庁から古物営業法違反として中止要請も出された。同社では下取り方法を変えるなどして対応をしているが、混乱は否めない。また「4」以前の機種では割引期間は1年以下に留まるほか、2年目からは「かいかえ割」も効かないので、最終的な月額料金は5275円となる。LTE回線の緊急地震速報への対応が10月末から、テザリングの開始が2013年1月15日までずれこむといった点も、デメリットとして挙げられるだろう。
「スマートバリュー」充実が売りのau
対して、auに乗り換えて「5」を購入する場合はどうか。こちらの月額料金は、固定通信サービスがセットの「auスマートバリュー」適用時で、LTEネット料金を含め4295円。ソフトバンクとは違い、この価格は2年間そのまま変わらない。
ソフトバンクとの違いが際立つのが、スマートバリューで利用できる固定回線の充実だ。ADSL回線が中心の「スマホBB割」に対し、こちらは「auひかり」を始めとする光回線がメインで、対応世帯数も1041万世帯と、スマホBB割の150万世帯に大差をつける(2012年3月時点)。家のネットとの併用を考えれば、この点は見逃せない。
また「下取り」についても一部量販店ではソフトバンクを含め、独自の下取りサービスを展開するところが出ている。
BCNの調査によれば、2012年8月のキャリア別アイフォーン4Sの売り上げは、わずかではあるがauがソフトバンクを上回っている。果たして「5」発売で局面はどう動くか。両社の「サービス合戦」から目が離せない。