駅弁こそご当地グルメの先駆け 東京駅で見つけた絶品とは
東京駅に「駅弁屋 祭」なる店がオープンして、毎日全国の駅弁を常時150種類も売っているという。これではまるで東京駅で連日、全国駅弁大会が開催されているようなものだ。8月19日までは、オープン記念祭りで200種を販売しており、さっそくこの期間に訪れてみた。
肉に海鮮、押し寿司も豊富
「駅弁ランキング」でも上位に入るという
考えてみると、駅弁というのは地方・ご当地グルメの先駆け的な存在だ。いまも百貨店の駅弁大会などは人気だという。ただの弁当も、駅弁となるとがぜんありがたみが増すような気がしてならない。なにやら旅情がかきたてられ、遠い見たこともない土地の駅舎や車窓の風景に思いをはせることもできる。
さて「駅弁屋 祭」は、東京駅改札内1階中央通路、6番線と7番線の間にあった。提灯などが飾られ、お祭り気分を醸しているが、夏休みのお昼前の店内も一種のお祭り騒ぎだった。ベビーカーにキャリーバッガー、にぎやかな子ども連れ。旅情にはほど遠いが、これも東京駅の一光景には違いない。
押し合いへし合い、見て回ると、○○牛など「肉」をウリにする弁当が目立った。電車の形をした弁当はお子様たちに人気のようだ。「大人」向けの小品といった感じの海鮮系・押し寿司も豊富だ。有名どころは、東海道の鯵の押し寿司、富山のますずし、焼き鯖寿司、たらば棒寿し、奈良の柿の葉寿司などなど。
どれもこれもと目移りしてしまうが、ここは地方グルメを紹介するこのコーナーとして、もっともご当地感を感じさせてくれる駅弁を選出してみた。ジャ~ン。
中華風な趣でチャーハンにしてもおいしい
福井の駅弁である番匠の「越前かにめし」。弁当の名に地方・地域の「越前」が入っている。「かにめし」という料理が他にもありそうで、なかなかない。小ぶりなかわいらしい弁当箱に入っている(しかも上蓋はカニのデザインだ)。駅弁としての伝統があり、味もよい。さらには、東京駅で販売されるのは今回が初めてだという。
カニの内臓を炊き込んだというご飯の上に、食べでがあるカニのむき身がのっている。グリーンピースの存在もあり、純和風というよりは、どこか中華風な趣。説明書きにはチャーハンにしてもおいしいとある。
わりとあっさり食べてしまったが、駅弁をたらふく食らうというのも、駅弁らしくないということかもしれない。ローカル線にでも乗っている気分で、ゆっくり味わいたいものだ。
なお、売り切れや商品の入替等が考えられるので、お目当ての弁当がある場合には、運営元の日本レストランエンタプライズ等に確認するとよいだろう。
商品名:越前かにめし
製造:番匠
価格:1100円